極形式と回転・ド・モアブル
複素数 は、横と縦の成分で表せます。もう1つの表し方は、原点からの長さと角度で表す方法です。
ここで は原点からの距離、 は正の実軸から測った角度です。この角度 を の偏角と呼び、 と書きます。この形を極形式と呼びます。
触ってみる — 積は回転と拡大の合成
2つの複素数を極形式で動かしてください。黄色い は、長さが掛け算され、角度が足し算されて決まります。
式で書くと、積は次の形になります。
つまり、
です()。主値どうしをそのまま足すと の範囲をはみ出すことがあるので( なら ですが の主値は )、あくまで を法とした等式です。複素数の掛け算は「拡大縮小」と「回転」を一度に行う操作だと読めます。
何度も掛ける — ド・モアブルの定理
同じ複素数を何度も掛けると、長さは何度も掛けられ、角度は何度も足されます。
これを式にしたものがド・モアブルの定理です。
回掛けるたびに ずつ回るので、単位円上では正多角形の頂点をたどるような動きも現れます。フーリエ解析や複素指数関数では、この「回転を数式で扱える」性質が中心になります。
式で確かめる
動かして掴んだ感覚を、式と言葉で確かめます。間違えても、ヒントと解説で戻れます。
確認 1 / 3
、 のとき、 はどれですか?
確認 2 / 3
のとき、 の偏角は何度ですか?
度
確認 3 / 3
の値はどれですか?
操作チャレンジ — 何回か回して戻る
赤い点で の角度を決め、回数を変えてください。何回か掛けたあとで に戻る条件を、図と式の両方で確かめます。
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執筆: 榎本颯斗 / 監修: 中野竜之介
中野竜之介: 北海道大学大学院 数学専攻 博士課程・専門: 特殊関数論と代数幾何の交わり
数学レビュー協力: 野田一成・木村敏樹
最終更新: 2026-07-05