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複素数と複素平面 — 数を平面で見る

実数は数直線の上の点として見られます。複素数は、その考えをもう一方向へ広げます。 a+bia+bi の実部 aa を横、虚部 bb を縦に置けば、複素数は平面上の点になります。

この見方に慣れると、計算はただの記号操作ではなくなります。足し算は平行移動、引き算は2点の差、掛け算は回転と拡大の合成として読めます。

触ってみる — 四則を平面で見る

赤い点が zz、青い点が ww です。ボタンで四則を切り替え、黄色い矢印がどこへ動くかを見てください。

z=1.30+0.80iz=1.30 + 0.80i、青 w=0.70+1.10iw=-0.70 + 1.10i、黄 z+wz+w =0.60+1.90i= 0.60 + 1.90i

足し算と引き算は成分ごとの計算です。

(a+bi)+(c+di)=(a+c)+(b+d)i(a+bi)+(c+di)=(a+c)+(b+d)i (a+bi)(c+di)=(ac)+(bd)i(a+bi)-(c+di)=(a-c)+(b-d)i

掛け算は少し表情が変わります。

(a+bi)(c+di)=(acbd)+(ad+bc)i(a+bi)(c+di)=(ac-bd)+(ad+bc)i

この式は成分で計算できますが、図では「向きを足し、長さを掛ける」動きとして見えます。割り算は逆に、向きを引き、長さを割る操作です。

ii を掛けると何が起きるか

z=a+biz=a+biii を掛けると、

iz=i(a+bi)=b+aiiz=i(a+bi)=-b+ai

です。つまり点 (a,b)(a,b)(b,a)(-b,a) へ移ります。

z=1.40+0.70iz=1.40 + 0.70i なら iz=0.70+1.40iiz=-0.70 + 1.40i×i\times i は長さを保ったまま偏角を 9090^\circ 増やします

これは原点を中心にした 9090^\circ の回転です。i2=1i^2=-1 になるのも、9090^\circ 回転を2回行うと 180180^\circ 回転、つまり向きが反対になるからです。

式で確かめる

動かして掴んだ感覚を、式と言葉で確かめます。間違えても、ヒントと解説で戻れます。

確認 1 / 3

z=2+iz=2+iw=3+4iw=-3+4i のとき、z+wz+w はどれですか?

確認 2 / 3

z=32iz=3-2iii を掛けると iziz になります。iziz の実部はいくつですか?

確認 3 / 3

z=1+2iz=1+2iw=3iw=3-i のとき、積 zwzw はどれですか?

操作チャレンジ — 和と差を同時に合わせる

赤い zz と青い ww を動かして、和と差の両方を目標に合わせてください。式で解くと連立方程式ですが、図では2本の結果矢印を同時に合わせる問題です。

目標: 黄を 1+3i1+3i、緑を 3i3-i に重ねる。現在 z+w=0.60+2.10iz+w=0.60 + 2.10izw=1.80+0.70iz-w=1.80 + 0.70i

執筆・監修: 中野竜之介北海道大学大学院 数学専攻 博士課程・専門: 特殊関数論と代数幾何の交わり

最終更新: 2026-07-05

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