確率とシミュレーション — 大数の法則と標本調査
前回は、全事象を数えて確率を求めました。 今回は、実際に何度も試したときの割合を見ます。
硬貨の表が出る理論上の確率は です。 でも、回投げて表が必ず回出るわけではありません。 少ない回数ではばらつきます。 一方で、試行回数を増やすと、表が出た相対度数は の近くに集まりやすくなります。 この考え方を大数の法則と呼びます。
触ってみる — 相対度数が理論値へ近づく
硬貨とサイコロを切り替え、試行回数を増やしてみてください。 赤い点が現在の相対度数、オレンジの破線が理論値です。 途中で上下に揺れながらも、回数が多くなるほど差が小さくなりやすいことを観察します。
成功: 回 / 回
相対度数:
理論値との差:
標本調査も同じ発想を使います。 全員を調べられないとき、母集団から一部を選んで割合を推定します。 ただし、人数を増やすだけでは不十分です。 選び方が偏っていると、相対度数は「偏った集団の割合」に近づいてしまいます。 十分な人数を、偏りが出にくい方法で選ぶことが必要です。
理解チェック
式で確かめる
動かして掴んだ感覚を、式と言葉で確かめます。間違えても、ヒントと解説で戻れます。
確認 1 / 3
公平なサイコロを 回投げるとき、 が出る理論上の確率はどれですか?
確認 2 / 3
サイコロを 回投げて、 が 回出ました。相対度数を小数で答えてください。
確認 3 / 3
全校生徒の賛成割合を推定する標本調査で、より信頼しやすい方法はどれですか?
章末チャレンジ
サイコロの試行回数を変えて、 が出る相対度数を理論値 に近づけてください。 達成条件は図の下に示しています。
が出た回数は 回、相対度数は 、理論値 との差は です。
執筆・監修: 中野竜之介(北海道大学大学院 数学専攻 博士課程・専門: 特殊関数論と代数幾何の交わり)
最終更新: 2026-07-05