データの活用 — 代表値を選ぶ
テストの点数、通学時間、部活動の記録のように、たくさんの数が集まったものをデータと呼びます。 データは、ただ眺めるだけでは全体像が見えにくいことがあります。 そこで、表に整理したり、代表値を使ったりして「どのあたりに集まっているか」を短く言えるようにします。
この回では、度数分布表と、平均・中央値・最頻値を扱います。 特に平均と中央値は似ていますが、外れ値に対する動き方が違います。
触ってみる — 平均と中央値は同じようには動かない
平均は、全部のデータを合計して個数で割った値です。 数直線の上では、データ全体の重心のように考えられます。 中央値は、データを小さい順に並べたときの真ん中の値です。
下の点をドラッグしたり、右端に点を追加したりしてください。 遠い値を足したとき、平均と中央値のどちらが大きく動くかを見ます。
右端に大きな値を足すと、平均はその値に引っぱられて右へ動きます。 一方、中央値は「真ん中の順番」を見ているので、端の値が少し変わっても大きくは動きません。 この違いは、極端に大きい値や小さい値が混ざるデータで大切です。
度数分布表で全体を見る
データをいくつかの階級に分け、それぞれに何個入るかを数えた表を度数分布表と呼びます。 たとえば、ある小テストの点数を階級ごとに整理すると次のようになります。
| 階級 | 度数 |
|---|---|
| 点台 | |
| 点台 | |
| 点台 | |
| 点台 | |
| 点台 | |
| 点台 |
度数分布表を見ると、 点台が最も多く、全体としては 点台から 点台に多く集まっていると分かります。 生のデータを全部読む前に、まず分布の形を見るのが基本です。
代表値の使い分け
平均・中央値・最頻値は、どれもデータの代表を表す値です。
- 平均: すべての値を合計して個数で割る
- 中央値: 小さい順に並べた真ん中の値
- 最頻値: 最も多く出てくる値
たとえばデータが なら、平均は
中央値は真ん中の 、最頻値も です。 ただし、データが のように外れ値を含むと、平均は まで上がります。 このとき中央値は のままです。
理解チェック
式で確かめる
動かして掴んだ感覚を、式と言葉で確かめます。間違えても、ヒントと解説で戻れます。
確認 1 / 3
データ の平均はいくつですか?
確認 2 / 3
小さい順に並んだデータ の中央値はいくつですか?
確認 3 / 3
データ に外れ値 を足すと、平均と中央値の動き方はどうなりますか?
操作チャレンジ
平均は合計で決まり、中央値は順番で決まります。 次の図で、その違いを自分の手で作ってください。
執筆・監修: 中野竜之介(北海道大学大学院 数学専攻 博士課程・専門: 特殊関数論と代数幾何の交わり)
最終更新: 2026-07-05