文字式と一次方程式 — 文字で一般化する
文字式は、数を難しく隠すための記号ではありません。 まだ決まっていない数や、いくつもの場合に共通する計算を、短く正確に書くための道具です。 たとえば同じ値段のノートを何冊か買う場面では、冊数を毎回具体的な数で書くより、冊数を文字で表した方が見通しがよくなります。
ここでは文字を「動ける数」として見ます。 文字がどの値になっても同じ意味を保つ式変形だけが、信頼できる式変形です。
同じ種類のまとまりを数える
文字式でまず大切なのは、同じ種類の項だけをまとめることです。 たとえば は、 のまとまりが 個と 個あるという意味なので、合わせて になります。 一方で は、 のまとまりとただの数が混ざっているので、 にはできません。
触ってみる — 同類項をタイルで見る
下の図では、青いタイルが 、オレンジの小さいタイルが を表します。 文字の値を変えても、上の と下の は同じ値になります。
青い長方形は 、オレンジの小さい正方形は を表します。
同類項をまとめるとは、式の意味を変えずに、同じ種類のまとまりを数え直すことです。 文字の値をいくつにしても同じなら、その式変形はただの近道ではなく、いつでも使える道具になります。
試してみよう
- 文字の値を にする → のタイルは値を持たず、どちらも になります
- 文字の値を にする → も も になります
- のタイルと のタイルは別の種類です。 を とは書けません
理解チェック
式で確かめる
動かして掴んだ感覚を、式と言葉で確かめます。間違えても、ヒントと解説で戻れます。
確認 1 / 3
と同じ式はどれですか?
確認 2 / 3
のとき、 の値はいくつですか?
確認 3 / 3
を同類項でまとめると?
執筆・監修: 中野竜之介(北海道大学大学院 数学専攻 博士課程・専門: 特殊関数論と代数幾何の交わり)
最終更新: 2026-07-05