テデトク

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定義・定理・公式まとめ

トポロジーコース

レッスンで手を動かして体感したことを、いつでも引ける形にした知識の地図です。 気になる項目があれば、リンク先のレッスンでもう一度図を動かして体感し直せます。

この範囲を計算で確かめる →

1位相と同相

同相(homeomorphism)の定義

無料

f:XYf: X \to Y が全単射で、fff1f^{-1} も連続

切ったり貼ったりせず、伸ばす・曲げる連続変形だけで一方をもう一方に重ねられる関係

全単射性が「切る・貼るなし」、f,f1f,f^{-1} 双方の連続性が「引き裂かない」に対応する。この直感は正方形と円のような単純な例向けで、周囲空間の中で動かして重ねる ambient isotopy とは別概念(三葉結び目と円はともに S1S^1 と同相だが、R3\mathbb{R}^3 内では切らずに移り合えない)

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位相不変量: 曲面の種数 $g$

無料

連結な閉・向き付け可能曲面で 同相 \Rightarrow 種数 gg は不変

連続変形では穴は増えも減りもしない。コーヒーカップとドーナツ(ともに g=1g=1)は同相

球面(g=0g=0)とトーラス(g=1g=1)は種数が異なるため同相ではない。種数 gg は連結な閉・向き付け可能な曲面の不変量で、1次元の文字図形の穴の数(独立した閉ループの数 =β1=\beta_1)とは別物(下のカード参照)

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変わってよいもの(位相不変量ではない量)

無料

長さ・角度・面積は同相で保たれない

正方形と円は同相だが、面積も角の数も一般に異なる

「穴の数」「連結成分の数」「つながり方」との混同に注意

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文字図形の穴の数(独立した閉ループの数 $\beta_1$)

無料

穴0個: I,L,C / 穴1個: O,D,A / 穴2個: B

輪が閉じているかどうかで判定する。C は輪が開いているので穴なし

ここで数えるのは1次元図形の独立した閉ループの数(β1\beta_1)で、曲面の種数とは別の不変量。穴の数は同相の必要条件だが十分条件ではない(例: A と O は穴1つずつだが、A の分岐点のため非同相)

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2オイラー標数と曲面の分類

オイラー標数 χ = V − E + F

プレミアム

χ=VE+F\chi = V - E + F(頂点・辺・面の数)

立方体(812+6=28-12+6=2)・正四面体(46+4=24-6+4=2)・正八面体(612+8=26-12+8=2)はすべて χ=2\chi=2

球面に同相な閉曲面(凸多面体を含む)は常に χ=2\chi=2。この関係が成り立つのは球面に同相な曲面の場合

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細分してもχは不変

プレミアム

辺分割: Δχ=+11+0=0\Delta\chi=+1-1+0=0 / 面の三角形分割(kk角形): Δχ=+1k+(k1)=0\Delta\chi=+1-k+(k-1)=0

頂点を足して面を細かく刻んでも(切ったり貼ったりしない限り)χは変わらない

細分は位相不変量χを変えない操作。χが変わるのは切る・貼るなど位相そのものを変える操作だけ

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χ = 2 − 2g(向き付け可能な閉曲面)

プレミアム

χ=22g\chi = 2 - 2g(ggは種数=穴の数)

球面g=0χ=2g=0\to\chi=2、トーラスg=1χ=0g=1\to\chi=0、2人乗り浮き輪g=2χ=2g=2\to\chi=-2

この式は「連結な向き付け可能閉曲面」で成り立つ。連結な向き付け可能閉曲面どうしではχ(種数)の一致と同相が同値(非連結だと反例あり: S2Σ2S^2\sqcup\Sigma_2T2T2T^2\sqcup T^2 はともにχ=0だが非同相)

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3向き付け

メビウスの帯: 向き付け不可能・境界1本

プレミアム

境界成分数 =1=1、χ =0=0

帯を1周すると法線(表と裏)が反転する。縁(境界)は1周では出発点に戻らず2周して閉じる=1本の輪

円筒(ひねりなし)は向き付け可能で境界2本。奇数回(180°の奇数倍)のひねりでのみ向き付け不可能になる

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正方形の辺の同一視 — 円筒・メビウス・トーラス・クライン

プレミアム

同じ向きに貼る=ねじれなし、逆向きに貼る=ねじれ(向き付け不可能)

円筒=左右同じ向き・上下自由境界 / メビウス=左右逆向き・上下自由境界 / トーラス=左右上下とも同じ向き / クライン=左右同じ向き・上下逆向き

境界の有無は「自由な辺が残るか」、向き付け可能性は「逆向きの同一視が含まれるか」で決まる

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クラインの壺は3次元に自己交差なく埋め込めない

プレミアム

境界なしの向き付け不可能な閉曲面

メビウスの帯(境界あり)は3次元にそのまま置けるが、クラインの壺(境界なし)は3次元では自己交差する(4次元になら自己交差なく埋め込める)

自己交差を許して描いたもの(よく見るイラスト)は「はめ込み」であって埋め込みではない

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4基本群入門

ループ・ホモトピーと基本群 π1

プレミアム

基点を固定したループを、ホモトピック(連続変形で移り合う)なものは同一視して集めた群

演算=ループの連結、単位元=基点にとどまるループ、逆元=逆向きにたどるループ

群の公理の厳密な証明はここでは扱わず、演算・単位元・逆元の直感までにとどめる

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円板の単連結性 π1(円板) = 0

プレミアム

π1(円板)=0\pi_1(\text{円板}) = 0

円板は凸なので、基点への直線ホモトピーでどんなループも1点に縮められる(単連結)

凸性(へこみがない)が本質。円周そのもの(1次元的な輪)は単連結ではない

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巻き数と穴あき平面の基本群 ≅ ℤ

プレミアム

π1(S1)Z,π1(平面{0})Z\pi_1(S^1) \cong \mathbb{Z}, \quad \pi_1(\text{平面}\setminus\{0\}) \cong \mathbb{Z}

原点の周りをループが何回まわるか(巻き数)。ループの連結=巻き数の足し算に対応する

穴を囲んでいないループの巻き数は、形や周回数によらず常に0

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5不動点と一筆書き

ブラウワーの不動点定理(1次元: 中間値の定理)

プレミアム

f:[0,1][0,1]f:[0,1]\to[0,1] が連続     x, f(x)=x\implies \exists x,\ f(x)=x

g(x)=f(x)xg(x)=f(x)-x とおくと g(0)0, g(1)0g(0)\geq0,\ g(1)\leq0。中間値の定理より g(x)=0g(x)=0 となる不動点が存在する

2次元版(円板 D2D^2)も同じ主張が成り立つが、証明には基本群やホモロジーなど高度な道具が要る(本教材では扱わない)

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一筆書き(オイラー路)の条件

プレミアム

奇点(次数が奇数の頂点)が 00 個→閉じた一筆書き、22 個→開いた一筆書き、それ以外→不可能

ケーニヒスベルクの橋(奇点4個: 次数5,3,3,3)は一筆書き不可能

前提は「次数が正の頂点がすべて同じ連結成分に属する」こと(辺を持たない孤立点はあってよい)。各辺は両端の次数を1ずつ増やすので奇点は必ず偶数個になる

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6位相の言葉 — 開集合・連続・コンパクト・連結

位相と開集合の公理

プレミアム

,XT\varnothing,X\in\mathcal{T}、任意和と有限交叉で閉じる

距離を測る代わりに、どの部分集合を近傍として認めるかを開集合の族で指定する

実数直線での「縁を含まない」は通常位相の直感。一般の位相空間では距離や図形的な縁を仮定せず、開集合の公理を使う

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連続性 — 開集合の逆像

プレミアム

f:XYf:X\to Y が連続 \Longleftrightarrow 任意の開集合 VYV\subset Y に対して f1(V)f^{-1}\left(V\right)XX で開く

出力側の小さな範囲を入力側へ戻しても、境界を含まない範囲として残る

開集合の像が開く条件は開写像の定義であり、連続性とは別。逆像を使うことで全単射でない写像も扱える

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コンパクト性とハイネ・ボレル

プレミアム

KRn: K がコンパクトK が閉かつ有界K\subset\mathbb{R}^n:\ K\text{ がコンパクト}\Longleftrightarrow K\text{ が閉かつ有界}

どの開被覆からも有限個だけ選んで全体を覆えるとき、空間はコンパクト

閉かつ有界による特徴づけは Rn\mathbb{R}^n の部分集合に対する定理。任意の位相空間や任意の距離空間にはそのまま拡張できない

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連結と弧状連結

プレミアム

弧状連結連結\text{弧状連結}\Longrightarrow\text{連結}、逆は一般に不成立

任意の2点を空間内の道で結べれば弧状連結。2つの空でない開集合へ分離できなければ連結

位相学者の正弦曲線はコンパクトかつ連結だが弧状連結ではない。コンパクト性と連結性の間には一般の含意はない

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7商空間 — 貼り合わせの一般化

商空間と商写像

プレミアム

q:XX/ ⁣,q(x)=[x]q:X\to X/\!\sim,\quad q\left(x\right)=\left[x\right]

同値と決めた複数の点を、貼り合わせ後の1点である同値類へ送る

商写像は一般に単射ではない。同相写像が点の1対1対応を保つことと区別する

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区間・円板の同一視

プレミアム

[0,1]/(01)S1\left[0,1\right]/\left(0\sim1\right)\cong S^1D2/(xx on S1)RP2D^2/\left(x\sim-x\ \text{on}\ S^1\right)\cong\mathbb{RP}^2

区間の両端を結ぶと円になり、円板の境界で対心点を貼ると実射影平面になる

S1S^1 自体の対心点商 S1/(xx)S^1/\left(x\sim-x\right) は再び S1S^1 と同相。RP2\mathbb{RP}^2 になるのは S2S^2 全体の対心点商、または円板境界の対心点同一視

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商位相の定義

プレミアム

UX/ ⁣ が開くq1(U)X が開くU\subset X/\!\sim\text{ が開く}\Longleftrightarrow q^{-1}\left(U\right)\subset X\text{ が開く}

貼り合わせ後の開集合を、貼る前の空間へ戻して判定する

この位相では g:X/ ⁣ Yg:X/\!\sim\ \to Y の連続性と gq:XYg\circ q:X\to Y の連続性が同値になる

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実射影平面のオイラー標数

プレミアム

χ(RP2)=11+1=1\chi\left(\mathbb{RP}^2\right)=1-1+1=1

頂点1個・辺1本・面1枚のCW分解で、貼り合わせ後もセルを数えられる

RP2\mathbb{RP}^2 は向き付け不可能なので、連結な向き付け可能閉曲面の式 χ=22g\chi=2-2g は適用しない。RP2MS1D2\mathbb{RP}^2\cong M\cup_{S^1}D^2 でも 0+10=10+1-0=1

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8結び目入門 — ほどけるか、ほどけないか

結び目とアンビエント・イソトピー

プレミアム

Ht:R3R3H_t:\mathbb{R}^3\to\mathbb{R}^3 は各 tt で同相、H0=idH_0=\operatorname{id}H1(K0)=K1H_1\left(K_0\right)=K_1

輪だけでなく周囲空間全体を動かし、切断・貼り合わせ・交差通過を許さずにほどく

結び目は埋め込み S1R3S^1\hookrightarrow\mathbb{R}^3 の像。三葉結び目と自明な結び目は抽象空間としてはともに S1S^1 と同相だが、アンビエント・イソトピックではない

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ライデマイスターの定理

プレミアム

同じ tame knot \Longleftrightarrow 図式が有限回の I・II・III 型移動と平面内変形で移り合う

3Dのアンビエント・イソトピーを、平面図式の3種類の局所変形へ翻訳する

I 型は交点を1個、II 型は2個増減し、III 型は交点数を変えない。交点数そのものは図式に依存する

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Fox三彩色の交点条件

プレミアム

2covercunder,1+cunder,2(mod3)2c_{\mathrm{over}}\equiv c_{\mathrm{under},1}+c_{\mathrm{under},2}\pmod3

各交点の3弧を、すべて同色または3色すべて異なるように塗る

各ライデマイスター移動の前後で有効彩色が1対1に対応するため、彩色数はアンビエント・イソトピー不変量

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三葉結び目の三彩色数

プレミアム

Col3(31)=93=Col3()\operatorname{Col}_3\left(3_1\right)=9\neq3=\operatorname{Col}_3\left(\bigcirc\right)

三葉結び目には自明彩色3通りと非自明彩色6通りがあり、自明な結び目には自明彩色3通りしかない

不変量の不一致は非同値を示すが、一致は同値の十分条件ではない。非自明な結び目でも非自明三彩色を持たない場合があり、別の不変量が必要

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9総合演習

位相不変量による非同値判定

プレミアム

I(X)I(Y)X≁YI\left(X\right)\neq I\left(Y\right)\Longrightarrow X\not\sim Y

種数・オイラー標数・基本群・三彩色数から、対象に合う不変量を選ぶ

不変量の一致だけでは同値と限らない。各不変量の成立範囲と、同相・ホモトピー・アンビエント・イソトピーのどの関係で不変かを確認する

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定理を使う前の成立条件

プレミアム

χ=22g\chi=2-2g: 連結・向き付け可能・閉曲面 / ハイネ・ボレル: KRnK\subset\mathbb{R}^n

式を代入する前に、対象が定理の仮定を満たすかを判定する

一筆書き条件には次数が正の頂点の連結性、ブラウワーの不動点定理には同じコンパクト凸集合からそれ自身への連続写像という条件も要る

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