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定義・定理・公式まとめ

フーリエ解析コース

レッスンで手を動かして体感したことを、いつでも引ける形にした知識の地図です。 気になる項目があれば、リンク先のレッスンでもう一度図を動かして体感し直せます。

✏️ この範囲を計算で確かめる →

1波の重ね合わせ — sin波を足すと形が生まれる

フーリエ級数の一般形

無料

f(x)=a02+n=1(ancosnx+bnsinnx)f(x)=\dfrac{a_0}{2}+\displaystyle\sum_{n=1}^{\infty}\left(a_n\cos nx+b_n\sin nx\right)

正弦波・余弦波を無限に足し合わせると、周期的な任意の形が作れる

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重ね合わせの原理(線形性)

無料

f=f1+f2f=f_1+f_2 の係数は、f1f_1f2f_2 それぞれの係数をそのまま足したもの

2つの波を足した合成波の係数は、各波の係数を別々に計算して最後に足すだけで求まる

係数を取り出す操作(第2章の内積)が線形だから成り立つ

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矩形波の係数(奇数次のみ)

無料

bn=4nπ (nが奇数)b_n=\dfrac{4}{n\pi}\ (n\text{が奇数})bn=0 (nが偶数)b_n=0\ (n\text{が偶数})an=0a_n=0(すべての nn)

矩形波は奇関数だから cos 成分(ana_n)はすべて消え、sin の奇数次だけが残る

振幅1・周期 2π2\pi の矩形波の場合。振幅が変われば係数も比例して変わる

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項数を増やすと近づく

無料

部分和 SN(x)=a02+n=1N(ancosnx+bnsinnx)S_N(x)=\dfrac{a_0}{2}+\displaystyle\sum_{n=1}^{N}(a_n\cos nx+b_n\sin nx)NN\to\infty で各点 f(x)f(x) に近づく

項を足すほど輪郭がくっきりし、目標の波形のシルエットに近づいていく

ただし不連続点の近くだけは例外——第3章のギブス現象で詳しく扱う

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2フーリエ係数 — 内積で波を取り出す

フーリエ係数の公式(内積)

プレミアム

an=1πππf(x)cos(nx)dx,bn=1πππf(x)sin(nx)dxa_n=\dfrac{1}{\pi}\displaystyle\int_{-\pi}^{\pi} f(x)\cos(nx)\,dx,\quad b_n=\dfrac{1}{\pi}\displaystyle\int_{-\pi}^{\pi} f(x)\sin(nx)\,dx

掛けて積分する操作が、線形代数第8章の射影とまったく同じ計算になっている

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関数の内積

プレミアム

f,g=ππf(x)g(x)dx\langle f,g\rangle=\displaystyle\int_{-\pi}^{\pi} f(x)g(x)\,dx

ベクトルの内積を、関数どうしの掛けて積分する操作に置き換えただけ

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三角関数の直交性

プレミアム

mnm\neq n のとき ππsin(mx)sin(nx)dx=0\displaystyle\int_{-\pi}^{\pi}\sin(mx)\sin(nx)\,dx=0m=nm=n のとき π\pisin\sincos\cos の積は常に 00

違う周波数どうしは掛けて積分すると相殺して消え、狙った周波数だけが生き残る

積分区間 [π,π][-\pi,\pi] が前提。sin(mx)cos(nx)\sin(mx)\cos(nx) は奇関数×偶関数=奇関数なので、m,nm,n によらず積分は常に 00

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オイラーの公式

プレミアム

eiθ=cosθ+isinθe^{i\theta}=\cos\theta+i\sin\theta

単位円上を角度 θ\theta だけ回った点を、複素数1つで表している

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複素フーリエ級数

プレミアム

f(x)=n=cneinx,cn=12πππf(x)einxdxf(x)=\displaystyle\sum_{n=-\infty}^{\infty} c_n e^{inx},\quad c_n=\dfrac{1}{2\pi}\displaystyle\int_{-\pi}^{\pi} f(x)e^{-inx}\,dx

cos と sin の2種類の係数が、複素数 cnc_n という1種類にまとまる

f(x)f(x) が実数値のとき cn=cnc_{-n}=\overline{c_n}(複素共役)が成り立つ

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3フーリエ級数の性質 — 収束とギブス現象

収束定理(ディリクレ条件)

無料

区分的に滑らか(区分的に連続かつ区分的に微分可能)な ff のフーリエ級数は各点で収束する

なめらかな点ではその値に、跳んでいる点では左右の平均値に落ち着く

不連続点では f(x+)+f(x)2\dfrac{f(x^+)+f(x^-)}{2}(右極限と左極限の平均)に収束する。ディリクレ条件を満たさない関数では一般には成り立たない

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ギブス現象

無料

オーバーシュートの高さは 2π0πsinttdt1.17898\dfrac{2}{\pi}\displaystyle\int_0^{\pi}\dfrac{\sin t}{t}\,dt\approx 1.17898 に収束(跳躍量に対して約8.9%)

項数 NN を増やしても行き過ぎの高さは消えず、ツノの幅だけが跳躍点に向かって狭くなる

不連続点を持つ関数に共通する現象。跳躍の大きさによらず超過率は約8.9%で普遍

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係数の減衰となめらかさ

プレミアム

不連続(矩形波)→ 1/n1/n、連続だが角あり(三角波)→ 1/n21/n^2CC^\infty →どんな 1/nk1/n^k よりも速い

なめらかさが1段上がるごとに、係数の減衰は 1/n1/n の分だけ速くなる

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パーセバルの等式(エネルギー保存)

プレミアム

1πππf(x)2dx=a022+n=1(an2+bn2)\dfrac{1}{\pi}\displaystyle\int_{-\pi}^{\pi} f(x)^2\,dx=\dfrac{a_0^2}{2}+\displaystyle\sum_{n=1}^{\infty}(a_n^2+b_n^2)

時間側で測ったエネルギー(2乗の平均)と、周波数側で測ったエネルギー(係数の2乗和)が一致する

ff が2乗可積分(有限エネルギー)であることが前提

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各点収束と一様収束の違い

プレミアム

各点収束: 各 xxNN\to\infty のとき値が一致 / 一様収束: 誤差の上限が NN だけで一斉に 00 に近づく

矩形波は各点では正しく収束するが、不連続点の近くには常にツノが残るため一様収束はしない

ギブス現象はまさに一様収束が破れる典型例

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4フーリエ変換 — 時間と周波数

フーリエ変換の定義

プレミアム

F(ω)=f(t)eiωtdtF(\omega)=\displaystyle\int_{-\infty}^{\infty} f(t)e^{-i\omega t}\,dt

非周期の波を、あらゆる周波数成分の重ね合わせとして書き直す

ff が絶対可積分(f(t)dt<\int|f(t)|dt<\infty)であれば存在が保証される

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逆フーリエ変換

プレミアム

f(t)=12πF(ω)eiωtdωf(t)=\dfrac{1}{2\pi}\displaystyle\int_{-\infty}^{\infty} F(\omega)e^{i\omega t}\,d\omega

周波数の顔から時間の顔へ、いつでも行き来できる

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級数から変換への極限

プレミアム

周期 TT\to\infty で周波数間隔 2πT0\dfrac{2\pi}{T}\to 0、和 \sum が積分 \int に置き換わる

とびとびの倍音の間隔が詰まっていき、連続スペクトルに変わる

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時間・周波数の双対性(不確定性)

プレミアム

ガウス波形 et2/2σ2e^{-t^2/2\sigma^2} では時間幅 σ\sigma と周波数幅 1/σ1/\sigma の積が σ1σ=1\sigma\cdot\dfrac{1}{\sigma}=1(一定)

時間で細くするほど周波数では広がる。同時にどちらも細くはできない

一般には時間幅×周波数幅は下から定数で抑えられる(不確定性原理)。等号(最小)を達成するのはガウス波形のときだけ

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たたみ込み定理

プレミアム

時間領域のたたみ込み (fg)(t)(f*g)(t) ↔ 周波数領域の積 F(ω)G(ω)F(\omega)G(\omega)

面倒な畳み込み積分が、周波数側ではただの掛け算に化ける

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5離散フーリエ変換とFFT

サンプリング定理とナイキスト周波数

プレミアム

帯域制限信号(fmax\leq f_{\max})を復元できる条件は fs>2fmaxf_s>2f_{\max}。ナイキスト周波数 =fs/2=f_s/2

サンプリング間隔が粗すぎると、元の波形は二度と復元できない

ff が帯域制限(最大周波数 fmaxf_{\max} 以下)であることが前提。破れるとエイリアシングが起きる

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エイリアシング

プレミアム

サンプリング周波数不足の高周波成分は、見かけ上ナイキスト周波数の内側に折り返って現れる

速く回る扇風機の羽根が、カメラのコマ落ちで逆回転に見える現象と同じ構造

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離散フーリエ変換(DFT)の定義

プレミアム

Xk=n=0N1xnei2πkn/N(k=0,,N1)X_k=\displaystyle\sum_{n=0}^{N-1} x_n\,e^{-i2\pi kn/N}\quad(k=0,\ldots,N-1)

連続の積分だった変換を、N個のサンプル点での有限和に置き換えたもの

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DFTの周期性

プレミアム

Xk+N=XkX_{k+N}=X_k(すべての kk について)

N個のサンプルからは、周波数もN個分しか見分けがつかない

これもナイキスト周波数の折り返し(エイリアシング)と同じ現象の別の顔

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FFTの計算量

プレミアム

DFTの直接計算は O(N2)O(N^2)、高速フーリエ変換(FFT)は O(NlogN)O(N\log N)

Nが大きいほど差は歴然。N=1024N=1024 ならおよそ100倍以上速くなる

代表的なCooley-Tukey型FFTは NN が2の冪(または高度合成数)のとき効率よく分割できる

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6応用 — 音・画像・データへ

フィルタ=周波数領域でのマスク

プレミアム

ローパス: ω<ωc|\omega|<\omega_c を通す / ハイパス: ω>ωc|\omega|>\omega_c を通す

イコライザのつまみは、周波数ごとの通し方を直接操作している

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たたみ込み定理でフィルタを実装する

プレミアム

フィルタ処理 y=hxy=h*x は、周波数領域では Y(ω)=H(ω)X(ω)Y(\omega)=H(\omega)X(\omega) の掛け算だけで済む

時間領域の面倒な畳み込みを避け、周波数領域で掛け算するだけでフィルタが作れる

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画像の2次元フーリエ変換と圧縮

プレミアム

画像を2次元フーリエ変換し、上位の低周波成分だけを残して逆変換すると近似画像が得られる

輪郭(急な変化)は高周波、なだらかな濃淡は低周波。高周波を削っても大まかな形は残る

高周波を捨てるほど圧縮率は上がるが、輪郭(エッジ)がぼやける

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短時間フーリエ変換(STFT)とスペクトログラム

プレミアム

信号を短い窓で区切り、それぞれにフーリエ変換をかけて時間×周波数の2次元表現を作る

時刻ごとにどの周波数が鳴っているかを、楽譜のように可視化する

窓を短くすると時間分解能は上がるが周波数分解能は落ちる(第4章の不確定性原理そのもの)

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