面積を短冊で測る — 微積の入口
微分の相棒が積分です。出発点は拍子抜けするほど素朴で、 「曲がった図形の面積を、短冊を並べて測る」というものです。まずは振り返りから。
ウォームアップ — 第8章の振り返り
赤と青の矢印をドラッグして、2本の和(黄色)を星印 に重ねてください。どちらの矢印も短すぎないように。
(目標 (−2, 2))
触ってみる — 短冊が面積になる
分割数のスライダーを動かしてください。
短冊が粗いうちは誤差が目立ちますが、細かくすると合計はある値に収束します。 この短冊の面積の合計をリーマン和と呼び、その収束する先の極限値が定積分 です。
微分と積分は裏返し
数IIで習う計算ルールはこうでした:
「微分すると に戻る関数(原始関数)を探せ」という指示です。 なぜ面積の計算が微分の逆算になるのでしょうか。 「面積の増える速さは、その場所の高さに等しい」からです。 この事実は微積分学の基本定理と呼ばれ、 その体感図はこのコースの第15章に置いてあります(そのまま無料で読めます)。
この先の微積 — 何が増えるのか
数IIの範囲でできたことと、その先を正直にまとめます。
| ここまで(数II) | このコース第10〜16章(無料) | 大学微積コース | |
|---|---|---|---|
| 扱える関数 | 多項式のみ | 三角・指数対数・合成関数すべて | 同左 |
| 極限 | 直感的に | 計算法則と不定形まで | ε-δによる厳密化・テイラー展開 |
| 変数 | 1変数 | 1変数 | 多変数(勾配・機械学習の最適化) |
つまりあなたは今、微積の物語の第1章を読み終えたところです。 割線が接線になる瞬間も、短冊が面積になる瞬間も、もう手で触りました。 続きの計算と応用は第10章からすべて無料で、その先の厳密化と多変数の世界が大学微積コースです。
操作チャレンジ — 図で解く5問
青い点をドラッグして、赤い点(x=1)との割線の傾きをちょうど 1.50 にしてください(2点は離したまま)。
割線の傾き = 2.00(目標 1.50。赤い点 x=1 は固定)
式で確かめる
動かして掴んだ感覚を、式と言葉で確かめます。間違えても、ヒントと解説で戻れます。
確認 1 / 3
短冊の分割数を無限に増やしたとき、短冊の面積の合計が収束する先を何と呼びますか?
確認 2 / 3
積分の計算ルール を使うと、 の分母はいくつですか?
確認 3 / 3
「 を求める」とは、どんな関数を探すことですか?
この章の定義・定理・公式をまとめて確認する
第9章 微分積分の入口 — 変化と面積 のまとめページへ
執筆: 榎本颯斗 / 監修: 中野竜之介
中野竜之介: 北海道大学大学院 数学専攻 博士課程・専門: 特殊関数論と代数幾何の交わり
数学レビュー協力: 野田一成・木村敏樹
最終更新: 2026-07-05