関数 = 対応のルール
「」という記号を見た瞬間に本を閉じた経験はありませんか。 関数の正体は記号ではなく、入力を入れると出力が返ってくる機械です。 数学のほとんど、そして機械学習の多くの手法は、この機械の性質を調べる営みです。
触ってみる — 機械に数を入れる
スライダーで入力 を動かしてください。機械(2乗する)が出力 を返し、 その対応の全記録が曲線として浮かび上がります。
グラフにする前に、「どの入力がどの出力へ送られるか」だけを取り出して見ることもできます。 次の図では、左の定義域(入力 が動ける値の集まり)から右の値域(出力 として実際に現れる値の集まり)へ、 が に対応する矢印を追います。
グラフは関数の「顔」
1つの入力に1つの出力が対応します。この対応を全部プロットしたものがグラフです。 つまりグラフを見れば、計算しなくても関数の性格(増える・減る・折り返す)が読めます。 「式を変形する」前に「顔を見る」。これがこのコース全体の流儀です。
二次関数 — 放物線を操る
高校数学最初の山、二次関数。式はこう書けます:
記号が3つもあって嫌になりますが、頂点をドラッグすれば意味は一瞬です。
- は頂点の住所(ドラッグすると式のその部分だけが変わる)
- は開き具合(負にするとひっくり返る)
教科書の「平方完成」とは、 をこの「住所が読める形」に 書き替える作業のことです。式変形の目的は、頂点の住所を知ることだったのです。
試してみよう
- を に近づける → 放物線が直線に寝ていく
- 頂点を 軸の上に置く → 式から が消える()
- で頂点を高い場所へ → 「最大値」が頂点になる理由が見える
理解チェック
の頂点はどこでしょうか?
答えを見る
です。式の中の と がそのまま住所。 上の図で頂点を にドラッグして、式が一致することを確かめてください。
もう1問: の頂点はどこでしょうか?
答えを見る
平方完成すると 。頂点は です。の係数2を外に出してから中を平方完成するのがコツ( の半分の2ではなく、くくった後の の半分で考える)。
式で確かめる
動かして掴んだ感覚を、式と言葉で確かめます。間違えても、ヒントと解説で戻れます。
確認 1 / 3
の頂点はどこですか?
確認 2 / 3
を平方完成すると になります。 はいくつですか?
確認 3 / 3
で のとき、放物線はどうなりますか?
この章の定義・定理・公式をまとめて確認する
第1章 関数 — 入力と出力の対応を見る のまとめページへ
執筆: 榎本颯斗 / 監修: 中野竜之介
中野竜之介: 北海道大学大学院 数学専攻 博士課程・専門: 特殊関数論と代数幾何の交わり
数学レビュー協力: 野田一成・木村敏樹
最終更新: 2026-07-05