テデトク

高校数学の学び直しの目次

高校数学の学び直し / 第16章 · 2つ目のレッスン

無料レッスン

どこまでも伸びる図形の面積が、有限の値に収まることはあるのか

面積・体積・広義積分 — 積分を伸ばす

ウォームアップ — 第15章の振り返り

問1 / 1
問1・現在

面積関数の増える速さ S′(x)S'(x) が、ちょうど 1.5(橙の破線の高さ)になる x を探してください。

S′(x)=f(x)=0.563S'(x) = f(x) = 0.563

技法を手に入れたので、積分の適用範囲を広げます。有限の区間から無限の区間へ、面積から体積へ。

触ってみる — 無限に伸ばしても有限?

y=x−py = x^{-p} の x=1x = 1 から右の面積を考えます。右端 RR をどんどん伸ばし、さらに pp(減衰の速さ)を変えて、面積が頭打ちになる場合と無限に育つ場合を見つけてください。

∫13x−2.00 dx=0.667\int_1^{3} x^{-2.00}\,dx = 0.667(R→∞R \to \infty で 1.000 に収束)

種明かし — 広義積分

∫1∞dxxp=lim⁡R→∞∫1Rdxxp={1p−1(p>1 収束)∞(p≤1 発散)\int_1^\infty \frac{dx}{x^p} = \lim_{R \to \infty} \int_1^R \frac{dx}{x^p} = \begin{cases} \frac{1}{p-1} & (p > 1 \text{ 収束}) \\ \infty & (p \leq 1 \text{ 発散}) \end{cases}

境目は p=1p = 1。1x2\frac{1}{x^2} は無限に伸ばしても面積 1 に収まり、1x\frac{1}{x} はどこまでも育ちます。減衰の速さが収束・発散を決めます。これは大学微積コース(級数の章)の ∑1np\sum \frac{1}{n^p} の収束・発散と同じ現象です(積分判定法)。

統計コースで出会う正規分布の釣鐘 e−x2e^{-x^2} はどんなべき関数よりも速く減衰し、∫−∞∞e−x2dx=π\displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} e^{-x^2}dx = \sqrt{\pi} と有限。この計算は大学微積コース・重積分の章のクライマックスでやります。

面積から体積へ

区間を細かく刻む発想はそのまま3次元に伸びます。曲線 y=f(x)y = f(x) を x 軸まわりに回すと、位置 xx の薄い輪切りは半径 f(x)f(x) の円盤(面積 πf(x)2\pi f(x)^2)。積み上げれば:

V=∫abπf(x)2 dxV = \int_a^b \pi f(x)^2\,dx

例: y=xy = \sqrt{x}(0≤x≤40 \le x \le 4)を回すと V=π∫04x dx=8π\displaystyle V = \pi\int_0^4 x\,dx = 8\pi。「刻む→足す→極限」のパターンは面積でも体積でも曲線の長さでも同じです。

試してみよう

  • 上の図で p=1.01p = 1.01 にして RR を最大へ。収束はする(緑)けれど極限値 10.01=100\frac{1}{0.01} = 100 は遥か先です。収束の「遅さ」も体感できます
  • p=0.5p = 0.5 で面積の育ち方を見てください。R\sqrt{R} のペースで無限に育ちます

操作チャレンジ — 図で解く2問

問1 / 2
問1・現在問2

u=x2u = x^2 の置換で面積が sin⁡(b2)\sin(b^2) になることを使い、面積をちょうど 0.90 にしてください。

∫0b2xcos⁡(x2) dx=sin⁡(b2)=0.2474\int_0^b 2x\cos(x^2)\, dx = \sin(b^2) = 0.2474

追加演習 — もう2問

仕上げの2問です。前の問題より少しだけ手応えがあります。

問1 / 2
問1・現在問2

∫012x(x2+1)3dx\int_0^1 2x(x^2+1)^3 dx の値をスライダーで当ててください(置換 u=x2+1u = x^2+1 で暗算できます)。

∫012x(x2+1)3dx=1.00\int_0^1 2x(x^2+1)^3 dx = 1.00 と予想

式で確かめる

動かして掴んだ感覚を、式と言葉で確かめます。間違えても、ヒントと解説で戻れます。

確認 1 / 3

広義積分 ∫1∞dxx2\displaystyle \int_1^\infty \dfrac{dx}{x^2} はいくつに収束しますか?

確認 2 / 3

∫1∞dx/xp\displaystyle \int_1^\infty dx/x^p が収束するか発散するかの境目は p=p = いくつですか?

確認 3 / 3

y=xy = \sqrt{x}(0≤x≤40 \leq x \leq 4)を x 軸まわりに回した立体の体積は V=(V = (係数)×π) \times \pi になります。この係数はいくつですか?

この章の定義・定理・公式をまとめて確認する

第16章 積分の技法と応用 のまとめページへ

→

執筆: 榎本颯斗 / 監修: 中野竜之介

中野竜之介: 北海道大学大学院 数学専攻 博士課程・専門: 特殊関数論と代数幾何の交わり

数学レビュー協力: 野田一成・木村敏樹

最終更新: 2026-07-05

内容の誤り・誤植を見つけたら こちらから報告できます。いただいた指摘は 更新履歴 に反映します。