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合同を使って証明する — 仮定から結論へ

証明は、思いつきで書くものではありません。 「仮定(分かっていること)」から出発し、根拠を1つずつ積み重ねて「結論(示したいこと)」にたどり着く、という決まった形があります。

証明の型は次の通りです。

途中のどのステップにも根拠が必要です。 「なんとなく等しそう」は証明では通用しません。

例題 — 二等辺三角形の底角は等しい

AB=ACAB=AC の二等辺三角形 ABCABC で、頂角 A\angle A の二等分線が辺 BCBC と交わる点を MM とします。 このとき、底角 B=C\angle B=\angle C であることを証明します。

仮定: AB=ACAB=ACAMAMA\angle A の二等分線(BAM=CAM\angle BAM=\angle CAM)

結論: B=C\angle B=\angle C

証明:

  1. ABM\triangle ABMACM\triangle ACM において
  2. AB=ACAB=AC …仮定
  3. BAM=CAM\angle BAM=\angle CAM …仮定(AMAMA\angle A の二等分線)
  4. AM=AMAM=AM …共通な辺
  5. 22組の辺とその間の角がそれぞれ等しいので、ABMACM\triangle ABM \equiv \triangle ACM(SAS)
  6. 合同な図形の対応する角は等しいので、B=C\angle B=\angle C

ポイントは 33行目です。 「二等分線だから角が等しい」だけでなく、それが合同条件のどの部分に使われるかまで書くと、証明として成立します。

もう1つの例 — 垂直二等分線上の点は両端から等距離

線分 ABAB の垂直二等分線上に点 PP をとります。垂直二等分線と ABAB の交点を MM とすると、AM=BMAM=BMPMA=PMB=90\angle PMA=\angle PMB=90^\circ です。 このとき PA=PBPA=PB であることを証明します。

  1. PMA\triangle PMAPMB\triangle PMB において
  2. AM=BMAM=BM …仮定(垂直二等分線の定義)
  3. PMA=PMB=90\angle PMA=\angle PMB=90^\circ …仮定(垂直二等分線の定義)
  4. PM=PMPM=PM …共通な辺
  5. 22組の辺とその間の角がそれぞれ等しいので、PMAPMB\triangle PMA \equiv \triangle PMB(SAS)
  6. 合同な図形の対応する辺は等しいので、PA=PBPA=PB

「垂直二等分線上の点は両端から等距離」という性質そのものが、SASによる合同から導かれています。

理解チェック

式で確かめる

動かして掴んだ感覚を、式と言葉で確かめます。間違えても、ヒントと解説で戻れます。

確認 1 / 3

二等辺三角形の底角が等しいことの証明で、ABMACM\triangle ABM \equiv \triangle ACM を示すのに使った合同条件はどれですか?

確認 2 / 3

証明のステップ「AM=AMAM=AM」の根拠として正しいものはどれですか?

確認 3 / 3

垂直二等分線上の点 PP について PA=PBPA=PB を示す証明で、根拠として使われていないものはどれですか?

📖

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執筆・監修: 中野竜之介北海道大学大学院 数学専攻 博士課程・専門: 特殊関数論と代数幾何の交わり

最終更新: 2026-07-05

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