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証明は、思いつきで書くものではありません。
「仮定(分かっていること)」から出発し、根拠を1つずつ積み重ねて「結論(示したいこと)」にたどり着く、という決まった形があります。
証明の型は次の通りです。
- 仮定: 問題文で最初から分かっている条件。
- 結論: 最終的に示したいこと。
- 根拠: 各ステップで「なぜそう言えるか」(合同条件・共通な辺や角・対頂角・平行線の同位角/錯角・二等辺三角形の性質 など)。
途中のどのステップにも根拠が必要です。
「なんとなく等しそう」は証明では通用しません。
例題 — 二等辺三角形の底角は等しい
AB=AC の二等辺三角形 ABC で、頂角 ∠A の二等分線が辺 BC と交わる点を M とします。
このとき、底角 ∠B=∠C であることを証明します。
仮定: AB=AC、AM は ∠A の二等分線(∠BAM=∠CAM)
結論: ∠B=∠C
証明:
- △ABM と △ACM において
- AB=AC …仮定
- ∠BAM=∠CAM …仮定(AM が ∠A の二等分線)
- AM=AM …共通な辺
- 2組の辺とその間の角がそれぞれ等しいので、△ABM≡△ACM(SAS)
- 合同な図形の対応する角は等しいので、∠B=∠C
ポイントは 3行目です。
「二等分線だから角が等しい」だけでなく、それが合同条件のどの部分に使われるかまで書くと、証明として成立します。
もう1つの例 — 垂直二等分線上の点は両端から等距離
線分 AB の垂直二等分線上に点 P をとります。垂直二等分線と AB の交点を M とすると、AM=BM、∠PMA=∠PMB=90∘ です。
このとき PA=PB であることを証明します。
- △PMA と △PMB において
- AM=BM …仮定(垂直二等分線の定義)
- ∠PMA=∠PMB=90∘ …仮定(垂直二等分線の定義)
- PM=PM …共通な辺
- 2組の辺とその間の角がそれぞれ等しいので、△PMA≡△PMB(SAS)
- 合同な図形の対応する辺は等しいので、PA=PB
「垂直二等分線上の点は両端から等距離」という性質そのものが、SASによる合同から導かれています。
理解チェック
式で確かめる
動かして掴んだ感覚を、式と言葉で確かめます。間違えても、ヒントと解説で戻れます。
確認 1 / 3
二等辺三角形の底角が等しいことの証明で、△ABM≡△ACM を示すのに使った合同条件はどれですか?
確認 2 / 3
証明のステップ「AM=AM」の根拠として正しいものはどれですか?
確認 3 / 3
垂直二等分線上の点 P について PA=PB を示す証明で、根拠として使われていないものはどれですか?
📖この章の定義・定理・公式をまとめて確認する
第10章 合同と証明 — 重ねて確かめる のまとめページへ
→ 執筆・監修: 中野竜之介(北海道大学大学院 数学専攻 博士課程・専門: 特殊関数論と代数幾何の交わり)
最終更新: 2026-07-05
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