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作図 — 定規とコンパスだけで正確に引く

作図とは、目盛りのない定規(直線を引くだけの道具)とコンパス(等しい長さを写し取る道具)だけを使って、正確な図形を組み立てることです。 測るのではなく、等しい長さ・等しい半径の弧を使って「そこにしかない点」を見つけていきます。

触ってみる — 等しい半径の弧で垂直二等分線を引く

線分 ABAB の垂直二等分線(ABAB の中点を通り、ABAB に垂直な直線)を作図してみましょう。 A,BA,B をそれぞれ中心にして、同じ半径 rr の弧を 22つ描きます。半径 rr さえ AB2\frac{AB}{2} より大きければ、22つの弧は必ず 22点で交わります。 その 22つの交点を結んだ直線が、ABAB の垂直二等分線です。

PA=3.35PA=3.35, PB=3.35PB=3.35
点 P の座標

点Pは(0, 1.5)。半径rは4。PAは3.35、PBは3.35で、等しくなっています。

半径 rr を変えても、等しい半径の 22つの弧が交わる緑の点は同じ縦の直線上に並びます。この直線が ABAB の垂直二等分線です。赤い点 PP を緑の直線に沿ってドラッグすると、PP の位置によらず常に PA=PBPA=PB になることが分かります。

半径 rr を変えても、緑の交点はいつも同じ直線上に並びます。 さらに、その直線上のどこに点 PP を取っても PA=PBPA=PB になっています。 「垂直二等分線上の点は両端から等距離」という性質が、作図の中にすでに現れているのです(なぜそう言えるかは次のレッスンで合同を使って確かめます)。

触ってみる — 等しい半径の弧で角を二等分する

XOY\angle XOY22等分する半直線も、同じ考え方で引けます。

  1. 頂点 OO を中心に適当な半径 r1r_1 の弧を描き、角の両辺との交点を X,YX,Y とする。
  2. X,YX,Y をそれぞれ中心に、同じ半径 r2r_2 の弧を描き、その交点を ZZ とする。
  3. 半直線 OZOZ が角 XOY\angle XOY の二等分線。
XOZ=35\angle XOZ=35^\circ, YOZ=35\angle YOZ=35^\circ

角の大きさは70度、2つ目の弧の半径は3.2です。角XOZは35度、角YOZは35度で、角が2等分されています。

角の両辺に同じ半径の弧で点 X,YX,Y を取り、X,YX,Y を中心に等しい半径 22つ目の弧を描くと、その交点 ZZ を通る半直線 OZOZ がつねに角を 22等分します。角の大きさや 22つ目の半径を変えても成り立ちます。

角の大きさや 22つ目の半径 r2r_2 を変えても、XOZ\angle XOZYOZ\angle YOZ はつねに等しくなります。 ここでも「同じ半径の弧を使う」ことが、二等分を保証しています。

他の基本の作図

上の 22つと同じ道具立てで、次の作図もできます。

  • 垂線(直線外の点から): 直線外の点 PP を中心に、直線と 22点で交わる弧を描く。その 22つの交点を中心に同じ半径の弧を描いて交点 QQ を作ると、直線 PQPQ がもとの直線に垂直になります。考え方は垂直二等分線の作図とまったく同じです(直線上の 22点を「A,BA,B」と見なせば、PQPQ はその垂直二等分線になっています)。
  • 垂線(直線上の点から): 直線上の点 PP を中心に、左右に等しい半径で 22A,BA,B を取り、その A,BA,B の垂直二等分線を作図すれば、それが PP を通る垂線です。
  • 角の移動: すでにある角と同じ大きさの角を、別の場所に作る作図です。角の頂点を中心に弧を描いて両辺との交点を取り、その 22点間の距離(弦の長さ)をコンパスで写し取れば、移した先でも同じ弦の長さ・同じ半径の関係が再現され、同じ大きさの角になります。

どの作図も、「等しい半径」や「等しい弦の長さ」を再現することで、測らずに同じ長さ・同じ角度を作り出しています。

理解チェック

式で確かめる

動かして掴んだ感覚を、式と言葉で確かめます。間違えても、ヒントと解説で戻れます。

確認 1 / 3

線分 ABAB の垂直二等分線を作図するとき、A,BA,B を中心にする 22つの弧の半径について正しいものはどれですか?

確認 2 / 3

角の二等分線の作図で、22つ目の弧(点X,YX,Yを中心にする弧)の半径 r2r_2 を大きくすると、二等分線の向きはどうなりますか?

確認 3 / 3

直線外の点 PP から、その直線に垂線を引く作図の考え方として正しいものはどれですか?

この章の定義・定理・公式をまとめて確認する

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執筆: 榎本颯斗 / 監修: 中野竜之介

中野竜之介: 北海道大学大学院 数学専攻 博士課程・専門: 特殊関数論と代数幾何の交わり

数学レビュー協力: 北町晃洋・野田一成・木村敏樹

最終更新: 2026-07-05

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