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機械学習は関数のあてはめ — 学習 = パラメータ調整を体感する

このコースは新しい数学を教えません。線形代数・微積・統計で触った道具が、機械学習の現場でそのまま動くのを図の上で確かめていきます。まず、機械学習でいちばん大事な点を1つの図で押さえましょう。

「予測する」とは、入力 xx から出力 yy を返す関数を用意することです。ただしその関数には調整できるつまみ(パラメータ)θ\theta がついています。

y^=fθ(x)\hat{y} = f_\theta(x)

学習とは、このつまみ θ\theta を動かして、手元のデータにいちばん合う形を探すこと。それだけです。

触ってみる — 傾き1つで直線を合わせる

黒い点が観測データです。青い直線 y^=wx\hat{y} = w x にはつまみが1つ、傾き ww だけあります。スライダーを動かすと、各点から直線までの縦の隔たり(残差、赤い破線)が変わります。

損失 =45.15= 45.15
y^=wx\hat{y} = wx の傾き1つで、赤い残差の二乗和(損失)が増減します。手で最小にできたら、ボタンで答え合わせを。

赤い破線の二乗をぜんぶ足したものが損失です。手でいちばん小さくできたと思ったら、「自動最適化」ボタンで答え合わせをしてみてください。あなたの手探りと、計算が出す最適解がどれだけ近いかが分かります。

種明かし — 良し悪しを1つの数で測る

いま起きたことを整理します。

  1. パラメータ付きの関数 fθf_\theta を用意した(直線 wxwx)
  2. 予測の外れ具合を損失という1つの数にまとめた(残差二乗和)
  3. 損失を最小にする θ\theta を探した(これが「学習済みモデル」)

損失を1つの数に押し込むのがポイントです。良し悪しが1次元の高さになれば、あとは「その谷底を探す」という単純な問題に化けます。このコースの回帰・分類・ニューラルネットは、すべてこの「関数を決めて、損失を測って、最小化する」の変奏です。

機械学習の地図はふつう3つに分かれます。正解ラベル付きのデータから fθf_\theta を学ぶ教師あり学習(このコースの主役)、正解なしで構造を見つける教師なし学習(第9章の次元削減)、試行錯誤で報酬を最大化する強化学習。どれも「何かを最適化する」点は共通です。

試してみよう

  • 傾きを極端に大きく・小さくすると損失メーターはどうなりますか(両側で増える谷型になります)
  • 点が完全に一直線に並んでいたら、最小の損失はいくつになるでしょう(0。残差がすべて消えます)

理解チェック

パラメータを増やせば損失はいくらでも下げられる?

十分に表現力の高いモデル(たとえば次数をどんどん上げていく多項式)なら、手元のデータ上ではその通りです。パラメータを増やすほど「見たことのある点」への当てはまりはよくなり、点の数を超える自由度があれば損失を0にすることさえできます。ただしこれは、入力 xx が互いに異なり、設計行列(各データ点の入力から作る特徴量を行として並べた行列)が十分な階数をもつ場合に限ります(同じ xx に異なる yy が混ざっていれば、いくら自由度を足しても損失は0になりません)。それでも、これは既知の点に合わせているだけ。未知のデータでの成績(汎化)は別問題で、第8章の過学習で扱います。

操作チャレンジ — 図で解く3問

読んで分かったら、手で確かめましょう。3問とも、スライダーだけで解けます。

1 / 3
問1・現在問2問3

傾き ww を動かして、原点を通る直線 y^=wx\hat{y} = wx の損失(残差二乗和)を最小にしてください。

損失(残差二乗和) =55.620= 55.620

式で確かめる

動かして掴んだ感覚を、式と言葉で確かめます。間違えても、ヒントと解説で戻れます。

確認 1 / 3

このレッスンでいう「学習」とは、何をすることですか。

確認 2 / 3

観測点が完全に一直線に並んでいるとき、直線あてはめで達成できる最小の損失(残差二乗和)はいくつですか。

確認 3 / 3

第9章で扱う次元削減は、機械学習の3分類のどれに属しますか。

この章の定義・定理・公式をまとめて確認する

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執筆: 中野竜之介 / 監修:

中野竜之介: 北海道大学大学院 数学専攻 博士課程・専門: 特殊関数論と代数幾何の交わり

最終更新: 2026-07-05

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