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相関の落とし穴と読み方

ウォームアップ — 第1章の振り返り

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問1・現在

赤い点をドラッグして、5個のデータの平均をちょうど60にしてください。

データ =[45,55,60,70,50.00]= [45, 55, 60, 70, 50.00] / 平均 =56.00= 56.00

前回、散布図の点をドラッグして相関係数 rr が動くのを見ました。 今回は rrを理解し、実務でだまされないための読み方を固めます。

相関係数の正体は「標準化した共分散」

r=sxysxsy=1n1i=1n(xixˉsx)(yiyˉsy)r = \frac{s_{xy}}{s_x s_y} = \frac{1}{n-1}\sum_{i=1}^n \left(\frac{x_i - \bar{x}}{s_x}\right)\left(\frac{y_i - \bar{y}}{s_y}\right)

第1章の言葉で言えば、各点を偏差値のものさしに載せ替えてから掛けて平均したものです。 だから単位に依存せず、必ず 1r1-1 \le r \le 1 に収まります。

だまされない4箇条

  1. 外れ値1つで激変する — 下のチャレンジで実際に壊してもらいます
  2. 直線関係しか測れない — U字型の完璧な関係でも r0r \approx 0
  3. 相関 \ne 因果 — アイスの売上と水難事故(裏に気温)。交絡を疑う
  4. 範囲の切断 — 合格者だけのデータで「入試の点数と入学後の成績は無相関」に見える現象。選抜されたデータでは相関は薄まります

クロス集計とシンプソンのパラドックス

カテゴリカルなデータではクロス集計表を使いますが、群を分けると相関の向きが逆転することがあります(シンプソンのパラドックス)。 「全体では治療Aが優勢、男女別に見るとどちらもBが優勢」。集計の単位を変えて必ず確認する習慣が防御策です。

トグルで、全体を1本で見るか群ごとに分けるかを切り替えてみてください。

全体を1本で見ると右上がり(正の相関)。赤・青の群ごとに分けると、どちらも右下がり(負の相関)。 集計の単位を変えると傾向が逆転する——これがシンプソンのパラドックスです。

統合すると正の相関、群で分けるとどちらも負。同じデータで結論が反転します。「全体の傾き」を報告する前に、隠れた群がないかを疑うのがこのパラドックスへの備えです。

操作チャレンジ — 図で解く3問

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問1・現在問2問3問4問5

赤い点を1つ動かして、相関係数 rr を0.45未満まで壊してください。

r =1.00= 1.00

式で確かめる

動かして掴んだ感覚を、式と言葉で確かめます。間違えても、ヒントと解説で戻れます。

確認 1 / 3

相関係数 rr が測定単位(cmかmか)に依存せず、必ず 1r1-1 \le r \le 1 に収まるのはなぜですか?

確認 2 / 3

合格者だけのデータで「入試の点数と入学後の成績はほぼ無相関」に見えました。この現象の名前は?

確認 3 / 3

全体では正の相関なのに、群ごとに分けるとどの群でも負の相関になっていました。これは何と呼ばれますか?

この章の定義・定理・公式をまとめて確認する

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執筆: 古郷優平 / 監修: 中野竜之介

中野竜之介: 北海道大学大学院 数学専攻 博士課程・専門: 特殊関数論と代数幾何の交わり

数学レビュー協力: 木村敏樹

最終更新: 2026-07-05

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