場を読む — 等高線と流線
前レッスンのスカラー場に対して、この章の後半からはベクトル場を主役にします。 ベクトル場を読む道具は等高線の代わりに流線——場の矢印に沿って動いたときの軌跡です。
触ってみる — 矢印に乗って流れる
青い矢印がベクトル場 です。緑の点(出発点)をドラッグすると、 そこから矢印の向きに沿って流れた跡(流線、緑の曲線)が伸びます。
- : 矢印は原点の周りをぐるぐる回る——渦
- : 矢印は原点から放射状に出入りする——湧き出し/吸い込み
- 両方混ぜると、渦を巻きながら広がる/収束するらせん状の流線になる
数式で見る
流線は「各点でその点の矢印の方向に進む」曲線です。パラメータ を使うと
という連立の微分方程式になります(微分方程式コースの相平面と同じ発想です)。 これを数値的に(ルンゲ=クッタ法で)積分すると、上の図の緑の曲線が得られます。
どこで効くのか
- 気象: 天気図の風の流線、台風の渦
- 流体力学: 川の流れ・翼まわりの空気の流れ
- 次章の予告: この矢印を作り出す"源"がスカラー場の勾配だったら?——それが次章の主題です
試してみよう
- をどちらも0にすると流線はどうなる?(その場に留まる——矢印が無いので動かない)
- (吸い込み)にすると、出発点をどこに置いても流線はどこへ向かう?(原点へ吸い込まれる)
理解チェック
式で確かめる
動かして掴んだ感覚を、式と言葉で確かめます。間違えても、ヒントと解説で戻れます。
確認 1 / 2
ベクトル場の「流線」とは何ですか?
確認 2 / 2
のような場(原点周りをぐるぐる回る)は、次のどちらの性質を持ちますか?
📖→
この章の定義・定理・公式をまとめて確認する
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執筆・監修: 中野竜之介(北海道大学大学院 数学専攻 博士課程・専門: 特殊関数論と代数幾何の交わり)
最終更新: 2026-07-05
主な参考文献: Schey『Div, Grad, Curl, and All That』(Norton) / Marsden & Tromba『Vector Calculus』(W.H. Freeman) / 志賀浩二『ベクトル解析30講』(朝倉書店)