テデトク

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場を読む — 等高線と流線

前レッスンのスカラー場に対して、この章の後半からはベクトル場を主役にします。 ベクトル場を読む道具は等高線の代わりに流線。場の矢印に沿って動いたときの軌跡です。

触ってみる — 矢印に乗って流れる

青い矢印がベクトル場 F=(axby, bx+ay)\vec F=(ax-by,\ bx+ay) です。緑の点(出発点)をドラッグすると、 そこから矢印の向きに沿って流れた跡(流線、緑の曲線)が伸びます。

出発点の座標

出発点は(-2.00, 1.40)。この点でのベクトル場の値は(-1.40, -2.00)、大きさは2.44です。緑の曲線はこの点から矢印の向きに沿って流れた跡(流線)です。

F=(0.0x1.0y, 1.0x+0.0y)\vec F=(0.0x-1.0y,\ 1.0x+0.0y)。緑の点=出発点、緑の曲線=そこから矢印に沿って流れた跡(流線)
  • a=0, b0a=0,\ b\neq0: 矢印は原点の周りをぐるぐる回る()
  • b=0, a0b=0,\ a\neq0: 矢印は原点から放射状に出入りする(湧き出し/吸い込み)
  • 両方混ぜると、渦を巻きながら広がる/収束するらせん状の流線になる

数式で見る

流線は「各点でその点の矢印の方向に進む」曲線です。パラメータ tt を使うと

dxdt=F1(x,y),dydt=F2(x,y)\frac{dx}{dt} = F_1(x,y), \qquad \frac{dy}{dt} = F_2(x,y)

という連立の微分方程式になります(微分方程式コースの相平面と同じ発想です)。 これを数値的に(ルンゲ=クッタ法で)積分すると、上の図の緑の曲線が得られます。

どこで効くのか

  • 気象: 天気図の風の流線、台風の渦
  • 流体力学: 川の流れ・翼まわりの空気の流れ
  • 次章の予告: この矢印を作り出す「源」がスカラー場の勾配であることを、次章で確かめます

試してみよう

  • a,ba,b をどちらも0にすると流線はどうなる?(その場に留まる。矢印が無いので動かない)
  • a<0a<0(吸い込み)にすると、出発点をどこに置いても流線はどこへ向かう?(原点へ吸い込まれる)

理解チェック

式で確かめる

動かして掴んだ感覚を、式と言葉で確かめます。間違えても、ヒントと解説で戻れます。

確認 1 / 2

ベクトル場の「流線」とは何ですか?

確認 2 / 2

F=(2y,2x)\vec F=(-2y, 2x) のような場(原点周りをぐるぐる回る)は、次のどちらの性質を持ちますか?

この章の定義・定理・公式をまとめて確認する

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執筆: 古郷優平 / 監修: 中野竜之介

中野竜之介: 北海道大学大学院 数学専攻 博士課程・専門: 特殊関数論と代数幾何の交わり

最終更新: 2026-07-05

主な参考文献: Schey『Div, Grad, Curl, and All That』(Norton) / Marsden & Tromba『Vector Calculus』(W.H. Freeman) / 志賀浩二『ベクトル解析30講』(朝倉書店)

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