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数え上げの原則

確率の計算は、突き詰めると「数える」ことです。 そして数え上げには、たった2つの原則しかありません。

  • 和の法則: 「AまたはB」(同時に起きない)→ 足す
  • 積の法則: 「Aのそれぞれに対してB」→ 掛ける

シャツ3種類とズボン4種類なら、コーディネートは 3×4=123 \times 4 = 12 通り。 「それぞれに対して」と読めたら掛け算です。これだけで大半の場合の数は数えられます。

同じ積の法則を、枝が増えていく樹形図として見ると、最後に残る葉の数がそのまま総数になります。 枝の本数を動かして、a×ba \times b が「各枝から同じだけ分かれる」ことを確かめます。

1段目 33 通り×\times2段目 44 通り合計 1212 通り
積の法則を葉の数で表す樹形図開始1段目2段目の葉S1231-11-21-31-42-12-22-32-43-13-23-33-4
1段目の各枝から2段目が 44 本ずつ伸びます。葉は 3×4=123 \times 4 = 12 個なので、総数は 1212 通りです。

並べるか、選ぶか

  • 順列 nPr_n\mathrm{P}_r: nn 個から rr 個を並べる(順序あり)
  • 組合せ nCr_n\mathrm{C}_r: nn 個から rr 個を選ぶ(順序なし)
nPr=n(n1)(nr+1)nCr=nPrr!_n\mathrm{P}_r = n(n-1)\cdots(n-r+1) \qquad _n\mathrm{C}_r = \frac{_n\mathrm{P}_r}{r!}

組合せは「並べてから、並び順のダブり r!r! で割る」という考え方です。 公式の分母は「気にしない違いを割って消す」操作です。

触ってみる — パスカルの三角形

組合せの数 nCr_n\mathrm{C}_r を三角形に並べると、美しい規則が現れます。 マスをタップしてみてください。

111121133114641151010511615201561
マスをタップすると「上の2つの和」が見えます

どのマスもすぐ上の2つの和になっています:

nCr=n1Cr1+n1Cr_n\mathrm{C}_r = {}_{n-1}\mathrm{C}_{r-1} + {}_{n-1}\mathrm{C}_r

理由は「nn 個目を選ぶ場合(左上)と選ばない場合(右上)に分かれる」から。 これは碁盤の目の道順の数え上げと同じ構造です。

理解チェック

5人から委員2人を選ぶ方法は何通り?(委員長・副委員長と区別する場合は?)

答えを見る

区別しない「選ぶ」なら 5C2=10_5\mathrm{C}_2 = 10 通り。 役職で区別して「並べる」なら 5P2=20_5\mathrm{P}_2 = 20 通り。 同じ状況でも「順序を気にするか」で数が変わります。ここが分かれ目です。

もう1問: 10人から3人の委員を選ぶ(役職の区別なし)。順列 P と組合せ C のどちらで、値はいくつでしょうか?

答えを見る

組合せ C(10,3) = 120 です。役職の区別がない = 並び順を数えない、なので P(10,3)=720 を 3! = 6 で割ります。「区別があるか?」が P と C の分かれ目です。

式で確かめる

動かして掴んだ感覚を、式と言葉で確かめます。間違えても、ヒントと解説で戻れます。

確認 1 / 3

シャツ3種類とズボン4種類の組合せは全部で何通りですか?

確認 2 / 3

5人から委員2人を選ぶ(順序は区別しない)方法は何通りですか?

確認 3 / 3

10人から3人の委員を選ぶ(役職の区別なし)方法は何通りですか?

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執筆: 榎本颯斗 / 監修: 中野竜之介

中野竜之介: 北海道大学大学院 数学専攻 博士課程・専門: 特殊関数論と代数幾何の交わり

数学レビュー協力: 野田一成・木村敏樹

最終更新: 2026-07-05

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