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微分係数を使う — 定義から計算へ

ウォームアップ — 第11章の振り返り

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問1・現在

グラフが x=2x = 2 で「向かっている高さ」に、橙の破線をぴったり合わせてください。そこに関数の値はありません(穴)。

前のレッスンで、微分係数は「割線の傾きの極限」だと指で確かめました。 今日は同じことを式でやります。定義から直接計算できるようになると、 公式がただの暗記ではなく「毎回やる計算のショートカット」に見えてきます。

前のレッスンで触ったあの図、もう一度

点aのx座標
点bのx座標

点aは(-2.00, 2.40)、点bは(1.50, 1.44)。割線の傾きは-0.275、点aでの接線の傾きは0.600です。

割線の傾き =0.275= -0.275 接線の傾き =0.600= 0.600

青い点を近づける操作を、式に書き写します。f(x)=x2f(x) = x^2、点 aa で:

f(a+h)f(a)h=(a+h)2a2h=2ah+h2h=2a+h\frac{f(a+h) - f(a)}{h} = \frac{(a+h)^2 - a^2}{h} = \frac{2ah + h^2}{h} = 2a + h

前レッスンの不定形と同じ流れです。00\frac{0}{0} を約分で回避してから h0h \to 0 とします:

f(a)=limh0(2a+h)=2af'(a) = \lim_{h \to 0} (2a + h) = 2a

これですべての点の傾きが一度にわかりました。(x2)=2x(x^2)' = 2x という「導関数」です。

同じ計算を xnx^n

(x3)(x^3)' も同じ手順です。(a+h)3=a3+3a2h+3ah2+h3(a+h)^3 = a^3 + 3a^2h + 3ah^2 + h^3 を使うと、 約分後に残るのは 3a2+(h を含む項)3a^2 + (\text{h を含む項})。よって (x3)=3x2(x^3)' = 3x^2

一般に、二項展開の第2項だけが生き残って:

(xn)=nxn1(x^n)' = nx^{n-1}

「べきが前に降りて、指数が1減る」。公式の正体は毎回この約分です。

試してみよう

  • f(x)=1xf(x) = \dfrac{1}{x} を定義から微分してみてください(通分→約分→ 1x2-\dfrac{1}{x^2})
  • 図の赤い点を谷底に置いて、2a2a の式と見比べてください。f=0.1x30.6x+2f = 0.1x^3 - 0.6x + 2 の谷は f=0.3x20.6=0f' = 0.3x^2 - 0.6 = 0、つまり x=2x = \sqrt{2} です

操作チャレンジ — 図で解く2問

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問1・現在問2

青い点を赤い点(x=1x = 1)にじわじわ近づけて、割線を接線に収束させてください(hh を 0.12 未満に)。

hは2.000、割線の傾きは0.700です。目標はf'(1) = -0.30への収束です。

h=2.000h = 2.000 割線の傾き =0.700= 0.700(f(1)=0.30f'(1) = -0.30)

追加演習 — もう2問

仕上げの2問です。前の問題より少しだけ手応えがあります。

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問1・現在問2

f(x)=x3f(x) = x^3x=1x = 1 での割線の傾きを、h を小さくして 3 との差 0.05 未満まで追い込んでください。

(f(1+h)f(1))/h=9.7500(f(1+h) - f(1)) / h = 9.7500(f=x3f = x^3。h を小さくして 3 に迫れ)

式で確かめる

動かして掴んだ感覚を、式と言葉で確かめます。間違えても、ヒントと解説で戻れます。

確認 1 / 3

公式 (xn)=nxn1(x^n)' = n x^{n-1} によると、(x5)(x^5)' はどれですか?

確認 2 / 3

f(x) = x3x^3x=2x = 2 での微分係数はいくつですか?

確認 3 / 3

f(x) = 1/x1/xx=2x = 2 での微分係数はいくつですか?

この章の定義・定理・公式をまとめて確認する

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執筆: 榎本颯斗 / 監修: 中野竜之介

中野竜之介: 北海道大学大学院 数学専攻 博士課程・専門: 特殊関数論と代数幾何の交わり

数学レビュー協力: 野田一成・木村敏樹

最終更新: 2026-07-05

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