高校数学の学び直し / 第14章 · 1つ目のレッスン
無料レッスンの山と谷は、 を動かすとどこで生まれ、どこで消えるのか
増減・凹凸 — 導関数で形を読む
微分計算ができるようになった今、その使い道の第一弾です。 と の符号だけで、グラフを描かずに関数の形が読めます。むしろ順序は逆で、形を読む道具として増減表があるのです。
触ってみる — 極値が生まれ、消える
の を動かしてください。赤い点が極値です。
では山と谷が1つずつ。 を 0 に近づけると2つが接近し、 で合流して消滅、 ではただの単調増加になります。
種明かし
です。極値の候補は の解:
- : 解が2つ()→ 増→減→増、山と谷
- : 重解 → 傾きは0になるが符号が変わらない = 極値ではない(変曲点)
- : 解なし → ずっと増加
つまり増減表とは「 の符号が変わる場所の一覧表」です。さらに の符号は凹凸(グラフが上に膨らむか下に膨らむか)を教えます。 なので、この関数は を境に凹凸が切り替わります。これが変曲点です。 の符号を、元のグラフの反り方と並べて見ると次のようになります。スライダーで を動かし、同じ で の符号と凹凸が対応することを確かめてください。
上の図で起きたことの正体
を動かして極値が生滅する現象は、パラメータ付きの関数族の「形の相転移」です。機械学習で損失関数のハイパーパラメータを動かすと局所解が現れたり消えたりするのも、変数がもっと多いだけで、同じ「パラメータが変わると極値の個数・位置が変わる」現象です。
試してみよう
- を動かしてください。グラフは上下するだけで、極値の位置(x座標)は変わりません。 に が入っていないからです
- にして、山と谷の間の距離を読み、 と比べてください
理解チェック
の極大値・極小値を求めてください。
答えを見る
より 。 なので で (上に凸 = 極大)、極大値 、極小値 。上の図の で とした形()を3倍すると になります。
もう1問: 増減表で y′ の符号が − から + に変わる点は、極大・極小のどちらでしょうか?
答えを見る
極小です。減ってから増える = 谷底。+から−なら極大(山)。「y′=0の点」ではなく「符号が変わる点」が本体です。
式で確かめる
動かして掴んだ感覚を、式と言葉で確かめます。間違えても、ヒントと解説で戻れます。
確認 1 / 3
の極大値はいくつですか?
確認 2 / 3
の極小値はいくつですか?
確認 3 / 3
増減表で の符号が - から + に変わる点は、極大・極小のどちらですか?
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執筆: 榎本颯斗 / 監修: 中野竜之介
中野竜之介: 北海道大学大学院 数学専攻 博士課程・専門: 特殊関数論と代数幾何の交わり
数学レビュー協力: 野田一成・木村敏樹
最終更新: 2026-07-05