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高校数学の学び直し / 第14章 · 1つ目のレッスン

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x33+ax\frac{x^3}{3}+ax の山と谷は、aa を動かすとどこで生まれ、どこで消えるのか

増減・凹凸 — 導関数で形を読む

微分計算ができるようになった今、その使い道の第一弾です。f′f' と f′′f'' の符号だけで、グラフを描かずに関数の形が読めます。むしろ順序は逆で、形を読む道具として増減表があるのです。

触ってみる — 極値が生まれ、消える

f(x)=x33+ax+bf(x) = \dfrac{x^3}{3} + ax + b の aa を動かしてください。赤い点が極値です。

f(x)=x3/3+ax+bf(x) = x^3/3 + ax + b f′(x)=x2+af'(x) = x^2 + a極値 x=±1.00x = \pm1.00(赤)

a<0a < 0 では山と谷が1つずつ。aa を 0 に近づけると2つが接近し、a=0a = 0 で合流して消滅、a>0a > 0 ではただの単調増加になります。

種明かし

f′(x)=x2+af'(x) = x^2 + a です。極値の候補は f′=0f' = 0 の解:

  • a<0a < 0: 解が2つ(x=±−ax = \pm\sqrt{-a})→ 増→減→増、山と谷
  • a=0a = 0: 重解 x=0x = 0 → 傾きは0になるが符号が変わらない = 極値ではない(変曲点)
  • a>0a > 0: 解なし → ずっと増加

つまり増減表とは「f′f' の符号が変わる場所の一覧表」です。さらに f′′f'' の符号は凹凸(グラフが上に膨らむか下に膨らむか)を教えます。f′′=2xf'' = 2x なので、この関数は x=0x = 0 を境に凹凸が切り替わります。これが変曲点です。f′′f'' の符号を、元のグラフの反り方と並べて見ると次のようになります。スライダーで xx を動かし、同じ xx で f′′(x)f''(x) の符号と凹凸が対応することを確かめてください。

元の関数 f(x)f(x)
2階微分 f′′(x)f''(x)
選んだ点
(−0.82,−0.56)(-0.82, -0.56)
2階微分
f′′(x)=0f''(x)=0、f′′(−0.82)=0.00f''(-0.82)=0.00
凹凸
f′′(x)=0f''(x)=0 なので 変曲点
f(x)=x44−x2f(x)=\frac{x^4}{4}-x^2 では f′′(x)=3x2−2f''(x)=3x^2-2。緑は f′′(x)>0f''(x)>0 の下に凸、橙は f′′(x)<0f''(x)<0 の上に凸、紫の点は f′′(x)=0f''(x)=0 で凹凸が切り替わる変曲点です。

上の図で起きたことの正体

aa を動かして極値が生滅する現象は、パラメータ付きの関数族の「形の相転移」です。機械学習で損失関数のハイパーパラメータを動かすと局所解が現れたり消えたりするのも、変数がもっと多いだけで、同じ「パラメータが変わると極値の個数・位置が変わる」現象です。

試してみよう

  • bb を動かしてください。グラフは上下するだけで、極値の位置(x座標)は変わりません。f′f' に bb が入っていないからです
  • a=−1.5a = -1.5 にして、山と谷の間の距離を読み、21.5≈2.452\sqrt{1.5} \approx 2.45 と比べてください

理解チェック

f(x)=x3−3xf(x) = x^3 - 3x の極大値・極小値を求めてください。

答えを見る

f′=3x2−3=0f' = 3x^2 - 3 = 0 より x=±1x = \pm 1。f′′=6xf'' = 6x なので x=−1x = -1 で f′′<0f'' < 0(上に凸 = 極大)、極大値 f(−1)=2f(-1) = 2、極小値 f(1)=−2f(1) = -2。上の図の F(x)=x3/3+ax+bF(x) = x^3/3 + ax + b で a=−1,b=0a = -1, b = 0 とした形(F(x)=x3/3−xF(x) = x^3/3 - x)を3倍すると ff になります。

もう1問: 増減表で y′ の符号が − から + に変わる点は、極大・極小のどちらでしょうか?

答えを見る

極小です。減ってから増える = 谷底。+から−なら極大(山)。「y′=0の点」ではなく「符号が変わる点」が本体です。

式で確かめる

動かして掴んだ感覚を、式と言葉で確かめます。間違えても、ヒントと解説で戻れます。

確認 1 / 3

f(x)=x3−3xf(x) = x^3 - 3x の極大値はいくつですか?

確認 2 / 3

f(x)=x3−3xf(x) = x^3 - 3x の極小値はいくつですか?

確認 3 / 3

増減表で y′y' の符号が - から + に変わる点は、極大・極小のどちらですか?

この章の定義・定理・公式をまとめて確認する

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執筆: 榎本颯斗 / 監修: 中野竜之介

中野竜之介: 北海道大学大学院 数学専攻 博士課程・専門: 特殊関数論と代数幾何の交わり

数学レビュー協力: 野田一成・木村敏樹

最終更新: 2026-07-05

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