ウォームアップ — 第12章の振り返り
青い点を赤い点(x=1)にじわじわ近づけて、割線を接線に収束させてください(h を 0.12 未満に)。
hは2.000、割線の傾きは0.700です。目標はf'(1) = -0.30への収束です。
h=2.000 割線の傾き =0.700(f′(1)=−0.30)
文法(積・商・連鎖律)は揃いました。今日は語彙である初等関数の導関数を揃えて、
どんな式でも微分できる状態を作ります。
よく使う導関数の一覧
(xn)′(sinx)′(cosx)′=nxn−1=cosx=−sinx(ex)′(lnx)′(ax)′=ex=x1=axlna
覚え方に意味があるのは2つだけです。
(ex)′=ex は、「自分の高さがそのまま自分の傾き」になる特別な底だという、e の定義を表しています。
(sinx)′=cosx は、単位円上を回る点の「高さの変化率」が「横位置」に等しくなるという、円の性質です。
組み合わせて使う
例1: y=x2ex(積の法則)
y′=2x⋅ex+x2⋅ex=(x2+2x)ex
例2: y=ln(cosx)(連鎖律)
y′=cosx1⋅(−sinx)=−tanx
例3: y=xx(対数微分。両辺の ln を取ってから微分)
lny=xlnx⇒yy′=lnx+1⇒y′=xx(lnx+1)
べきにも底にも x がいる関数は、ln で「積の形」に落としてから微分します。
高階導関数 — 次章への伏線
f′ をもう一度微分した f′′ は「傾きの変化率」です。
f′′>0 なら傾きが増え続ける(グラフは下に凸)、f′′<0 なら上に凸。
次章「関数の形を読む」の主役なので、名前だけ覚えて進みましょう。
操作チャレンジ — 図で解く2問
計算した導関数が図の上で本当に「傾き」になっているか、手で確かめます。
y=sin3x 上でスライダーを動かし、接線の傾きがちょうど −3 になる x を探してください。
y=sin3x dy/dx=3cos3x=2.476
追加演習 — もう2問
仕上げの2問です。前の問題より少しだけ手応えがあります。
y=x3/4 の上の点をドラッグして、接線の傾きが 3.00 になる場所を探してください(2箇所、どちらでも)。
y=x3/4、接線の傾き = 0.19(目標 3.00。場所は2つ)
式で確かめる
動かして掴んだ感覚を、式と言葉で確かめます。間違えても、ヒントと解説で戻れます。
確認 1 / 3
(cosx)′ はどれですか?
確認 2 / 3
微分しても形が変わらない関数(f′=f)はどれですか?
確認 3 / 3
(lnx)′=1/x を使うと、y=lnx の x=2 での微分係数はいくつですか?
執筆: 榎本颯斗 / 監修: 中野竜之介
中野竜之介: 北海道大学大学院 数学専攻 博士課程・専門: 特殊関数論と代数幾何の交わり
数学レビュー協力: 野田一成・木村敏樹
最終更新: 2026-07-05
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