二次関数を使いこなす — 最大最小・解の配置
前のレッスンで「最大最小は頂点か端」「判別式は交点の個数」と分かりました。 このレッスンは、高校で最難関だった応用2つ(区間が動く最大最小と解の配置)を 図で潰します。まずは振り返りから。
ウォームアップ — 第1章の振り返り
頂点(赤い点)をドラッグして、放物線 の頂点を星印 に合わせてください。
触ってみる — 区間が動くと「最小の場所」が乗り換わる
関数 の定義域を、幅2の区間 に絞ります。 緑の区間をスライドして、赤い「最小」の点がどう動くか見てください。
種明かし — 場合分けは3行に縮む
最小値を取る場所は、区間をスライドすると 左端 → 頂点 → 右端 の順に乗り換わります。 教科書の場合分けはこの3状態を文字で書いただけです:
- 頂点 が区間より右 () → 右端が最小
- 頂点が区間の中 () → 頂点が最小
- 頂点が区間より左 () → 左端が最小
「どの場合か」を暗記するのではなく、頂点と区間の位置関係を1枚の図に描けば、 場合分けは自動的に生えてきます。
解の配置 — 係数をつまみとして回す
方程式 の を動かすと、放物線が上下し、 軸との交点(= 解)が生まれたり消えたりします。
「解が2つとも正」「解が1と3の間」のような解の配置問題は、 この図で3つを確認するのが定石です:
- そもそも交わるか(判別式 )
- 軸(頂点の 座標)はどこか
- 端点での値 などの符号
大学への接続
「パラメータを動かして解の様子を見る」操作は、線形代数の固有値(行列のパラメータで 空間の潰れ方が変わる)や、統計の検定(閾値を動かすと判定が変わる)と同じ発想です。
操作チャレンジ — 図で解く3問
区間 をスライドして、区間内での最小値がちょうど 2 になる位置を見つけてください(答えは2箇所あります)。
区間 [0.50, 2.50] の最小値 = 1.00(目標 2.00)
式で確かめる
動かして掴んだ感覚を、式と言葉で確かめます。間違えても、ヒントと解説で戻れます。
確認 1 / 3
の最小値はいくつですか?(定義域は実数全体)
確認 2 / 3
頂点が定義域の区間より右にはみ出しているとき、最小値をとるのはどこですか?
確認 3 / 3
が重解をもつ(放物線が 軸に接する)のは がいくつのときですか?
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執筆: 榎本颯斗 / 監修: 中野竜之介
中野竜之介: 北海道大学大学院 数学専攻 博士課程・専門: 特殊関数論と代数幾何の交わり
数学レビュー協力: 野田一成・木村敏樹
最終更新: 2026-07-05