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積分を使う — 原始関数と基本定理

ウォームアップ — 第14章の振り返り

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問1・現在

a を動かして、2つの極値(赤い点)が1点に合流して消える瞬間を作ってください。

f(x)=x2+af'(x) = x^2 + a 極値 x=±1.10x = \pm1.10

前のレッスンで、リーマン和(短冊の面積の合計)の収束と「S′(x) = f(x)」という衝撃の再会を見ました。 このレッスンでは基本定理を計算の道具に変えます。

振り返り — あの連動図

もう一度、面積関数の図に触ってください。赤い点を動かして「S の傾き = f の高さ」を思い出します。

上: f(x)f(x) と 0 から x までの面積(赤い点をドラッグ)

下: 面積関数 S(x)S(x) とその接線

点xの値

xは2.50。上の図の高さf(x)は1.598、下の図の面積関数S(x)の接線の傾きS'(x)も1.598で、常に一致します。

f(2.50)=1.598f(2.50) = 1.598(上の高さ) S(2.50)=1.598S'(2.50) = 1.598(下の接線の傾き)— 常に一致する

原始関数という発想の転換

基本定理 S(x)=f(x)S'(x) = f(x) を裏返すと、面積を求める手順はこうなります:

abf(x)dx=F(b)F(a)(F=f)\int_a^b f(x)\,dx = F(b) - F(a) \quad (F' = f)

「微分すると ff になる関数 FF」= 原始関数を1つ見つければ、 短冊を無限に足す作業が引き算1回で終わる。これが基本定理の実用面です。

例: f(x)=x2f(x) = x^2 なら F(x)=x33F(x) = \frac{x^3}{3}(微分して確認: F(x)=x2F'(x) = x^2 ✓)。よって

02x2dx=233033=83\int_0^2 x^2\,dx = \frac{2^3}{3} - \frac{0^3}{3} = \frac{8}{3}

微分の逆引き表

原始関数探しは微分の知識の「逆引き」です。第13章の計算規則がそのまま資産になります:

f(x)f(x)原始関数 F(x)F(x)
xnx^nxn+1n+1\frac{x^{n+1}}{n+1}(n1n \neq -1)
1x\frac{1}{x}lnx\ln \lvert x\rvert
exe^xexe^x
sinx\sin xcosx-\cos x
cosx\cos xsinx\sin x

原始関数は1つではありません(F+CF + C も微分すれば ff)。 定積分では引き算で CC が消えるので、どれを選んでも同じ答えになります。

符号付き面積という注意点

02πsinxdx=[cosx]02π=0\displaystyle \int_0^{2\pi} \sin x\,dx = [-\cos x]_0^{2\pi} = 0 になりますが、面積が「消える」のでしょうか? グラフの下側(f<0f < 0 の部分)は負の面積として引かれるからです。 純粋な「面積の合計」が欲しいときは f|f| を積分します。この感覚は下のチャレンジで。

試してみよう

  • 1e1xdx\displaystyle \int_1^e \frac{1}{x}dx を逆引き表で計算してください(=lneln1=1= \ln e - \ln 1 = 1ee の定義そのもの)
  • F(x)=x33+100F(x) = \frac{x^3}{3} + 100 を使っても 02x2dx=83\displaystyle \int_0^2 x^2 dx = \frac{8}{3} になることを確認(定数は消える)

操作チャレンジ — 図で解く2問

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問1・現在問2

面積関数の増える速さ S(x)S'(x) が、ちょうど 1.5(橙の破線の高さ)になる x を探してください。

S(x)=f(x)=0.563S'(x) = f(x) = 0.563

追加演習 — もう2問

仕上げの2問です。前の問題より少しだけ手応えがあります。

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問1・現在問2

右端 b を動かして、y=x2y = x^2 の下の面積 0bx2dx\int_0^b x^2 dx をちょうど 9 にしてください。

0bx2dx=b3/3=1.13\int_0^b x^2 dx = b^3/3 = 1.13(目標 9)

式で確かめる

動かして掴んだ感覚を、式と言葉で確かめます。間違えても、ヒントと解説で戻れます。

確認 1 / 3

02x2dx\displaystyle \int_0^2 x^2\,dx はいくつですか?(小数でよい)

確認 2 / 3

1e1xdx\displaystyle \int_1^e \frac{1}{x}\,dx はいくつですか?

確認 3 / 3

定積分で原始関数を選ぶとき、積分定数 CC の値はどう影響しますか?

この章の定義・定理・公式をまとめて確認する

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執筆: 榎本颯斗 / 監修: 中野竜之介

中野竜之介: 北海道大学大学院 数学専攻 博士課程・専門: 特殊関数論と代数幾何の交わり

数学レビュー協力: 野田一成・木村敏樹

最終更新: 2026-07-05

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