対数 — 桁数のものさし
という記号は、高校数学でもっとも「なぜ存在するのか分からないまま 計算させられる」道具です。答えを先に言います: 対数は「桁」を測るものさしです。アリと地球を同じグラフに描くための。
触ってみる — 目盛りを架け替える
アリ(5mm)から地球(直径1万km超)までを1本の軸に並べます。 目盛りを切り替えてください。
通常目盛りでは地球以外が左端で団子になります。対数目盛りに切り替えると、 団子だった値の散らばりが目盛り全体に均されて見えやすくなります。1目盛り進むごとに10倍、という目盛りだからです。
種明かし — 対数は指数の逆読み
は「2を3乗すると8」の逆読み。それだけです。 とくに底が10の常用対数 は「 はおよそ何桁か」を返します: 。3000は「3.5桁級」の数です。
地震のマグニチュード、音のデシベル、水のpH。 桁で変わる量を人間が扱うとき、世界はいつも対数目盛りを選んできました。
指数のグラフを鏡で折り返す
対数関数 のグラフは、新しく覚える必要がありません。 指数関数 のグラフを の直線を鏡にして折り返すだけです。 この図は第10章(逆関数)でもう一度使う、逆関数の図そのものです。点をドラッグして、 2つの曲線が鏡写しに連動するのを確かめてください。
「入力と出力を入れ替えた関数」= 逆関数。指数と対数はその代表ペアです。
試してみよう
- 対数目盛りで、人(1.7m)とクジラ(30m)の間隔と、クジラと富士山(3776m)の間隔を見比べてください。人→クジラは約 桁分、クジラ→富士山は約 桁分です。対数目盛りでも間隔の長さは桁差の大きさをそのまま表しています
- 10を0乗すると1です。だから対数目盛りの「1」が原点になる
理解チェック
(100万)はいくつでしょうか?
答えを見る
です。100万は 、つまり7桁の数。 「0の個数を数える」のが常用対数の一番素朴な姿です。
もう1問: はいくつでしょうか?
答えを見る
です。 なので。1より小さい数の対数は負になります。「桁数のものさし」は小数側にはマイナスの目盛りで伸びています。
式で確かめる
動かして掴んだ感覚を、式と言葉で確かめます。間違えても、ヒントと解説で戻れます。
確認 1 / 3
はいくつですか?
確認 2 / 3
常用対数 (100万)はいくつですか?
確認 3 / 3
はいくつですか?
この章の定義・定理・公式をまとめて確認する
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執筆: 榎本颯斗 / 監修: 中野竜之介
中野竜之介: 北海道大学大学院 数学専攻 博士課程・専門: 特殊関数論と代数幾何の交わり
数学レビュー協力: 野田一成・木村敏樹
最終更新: 2026-07-05