テデトク

高校数学の学び直しの目次

高校数学の学び直し / 第5章 · 2つ目のレッスン

無料レッスン

電卓のない時代、大きな数の掛け算を足し算に変えられたのはなぜか

対数を使う — 掛け算を足し算に変える

前章の振り返りから。

ウォームアップ — 第4章の振り返り

問1 / 1
問1・現在

底 a のスライダーで、指数関数 y=axy = a^x を星印 (2, 9) に通してください。

y=1.50xy = 1.50^x を星印 (2, 9) に通す

対数法則 — 電卓以前の世界を支えた式

log⁡(MN)=log⁡M+log⁡N\log(MN) = \log M + \log N

掛け算が、足し算になる。指数法則 aman=am+na^m a^n = a^{m+n} の「回数の足し算」を逆から読んだだけですが、この性質は電卓のない時代に天文学者の寿命を延ばした(計算尺の原理)と言われるほど強力でした。累乗では効果がさらに大きくなります:

log⁡Mk=klog⁡M\log M^k = k \log M

累乗が、掛け算になる。巨大な計算ほど、対数の世界に持ち込むと軽くなります。統計学で「尤度の対数(対数尤度)」を取るのも、確率の掛け算の連鎖を足し算に変えるためです。

片対数グラフ — 指数増加の検出器

「このデータ、指数的に増えてる?」を見分ける実務の道具が片対数グラフです。縦軸を対数目盛りにして、切り替えてみてください。

データは y=3⋅2xy = 3 \cdot 2^x。通常軸では最後の点しか見えない

指数増加 y=3⋅2xy = 3 \cdot 2^x の点列が、対数軸では直線に乗ります。log⁡10y=log⁡103+xlog⁡102\log_{10} y = \log_{10} 3 + x\log_{10} 2 となり、対数を取ると1次関数になるからです。感染症のニュースで見た「対数グラフ」、株価の長期チャート、機械学習の学習曲線。指数的な現象の解析は、まず対数を取るところから始まります。

大学への接続

  • 統計コース: 対数変換・対数尤度(第8章の最尤法)でこの道具が本格稼働します
  • 微積分コース: ln⁡x\ln x(ee を底とする対数)の微分が 1/x1/x になる関係は、微積分の基本の道具としてこの先ずっと効きます

操作チャレンジ — 図で解く5問

問1 / 5
問1・現在問2問3問4問5

log⁡2x=5\log_2x = 5 になる x をスライダーで見つけてください。

log⁡28=3.00\log_2 8 = 3.00(目標 5)

式で確かめる

動かして掴んだ感覚を、式と言葉で確かめます。間違えても、ヒントと解説で戻れます。

確認 1 / 3

対数法則によると、log⁡(MN)\log(MN) は次のどれと等しいですか?

確認 2 / 3

対数法則を使うと、log⁡24+log⁡28\log_2 4 + \log_2 8 はいくつですか?

確認 3 / 3

累乗の法則 log⁡Mk=klog⁡M\log M^k = k \log M を使うと、log⁡2(82)\log_2 (8^2) はいくつですか?

この章の定義・定理・公式をまとめて確認する

第5章 対数関数 — 桁の目盛り のまとめページへ

→

執筆: 榎本颯斗 / 監修: 中野竜之介

中野竜之介: 北海道大学大学院 数学専攻 博士課程・専門: 特殊関数論と代数幾何の交わり

数学レビュー協力: 野田一成・木村敏樹

最終更新: 2026-07-05

内容の誤り・誤植を見つけたら こちらから報告できます。いただいた指摘は 更新履歴 に反映します。