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三角関数 — 単位円を回すと波が生まれる

「サイン・コサインが何の役に立つのか」。この疑問の答えは1枚の図にあります。 回転を横に流すと、波になります。音も、電気も、季節も、心臓の鼓動も、 多くの繰り返し現象は円運動の影として説明でき、その影の名前が sin\sin です。

触ってみる — 波の誕生の瞬間

単位円の赤い点をドラッグして、ぐるぐる回してください。 点の高さが右へ流れて、波が描かれていきます。何周でも回せます。逆回転も。

現在の角度は 1.05 ラジアン、60.00 度です。単位円上の座標 (cos, sin) は (0.50, 0.87) です。現在表示している正弦の値は 0.87 です。

θ=1.05\theta = 1.05 rad(60.0060.00^\circ) / sinθ=0.87\sin\theta = 0.87 — 赤い点を何周でも回してみてください

いま何が起きていたのか

  • 円上の点の高さ(yy 座標)が sinθ\sin\theta、横位置(xx 座標)が cosθ\cos\theta。前章の座標定義そのままです
  • 横軸は回した角度そのもの。1周(360°360°)ごとに波が1つ完成する
  • 逆に回せば負の角度。2周回れば 720°720°。円で考えれば「一般角」は当たり前の拡張です

なぜラジアンを使うのか

図の θ\theta はラジアン(弧度法)で表示されています。定義は 「半径1の円を、弧の長さで測った角度」。360°=2π360° = 2\pi です。

度数法でも困らないように見えますが、「角度」と「弧の長さ」が同じ数になるおかげで、 微積分コースで sin\sin を微分するときの式が最も単純な形になります((sinx)=cosx(\sin x)' = \cos x は ラジアンでだけ成り立つ)。ラジアンが選ばれた背景には、この先の計算を楽にする狙いがあったと言われています。

試してみよう

  • cos に切り替える → 同じ回転の横方向の影。波の形は同じで、始まる位置だけ違う
  • ちょうど1周(2π6.282\pi \approx 6.28)で波が1サイクルになります。これが「周期」の定義です
  • 上半分をゆっくり、下半分を速く回す → 波の高さは角度だけで決まる(速さは無関係)

理解チェック

sinθ\sin\theta が最大値 11 になるのは、単位円のどの位置でしょうか?

答えを見る

真上(θ=90°=π/2\theta = 90° = \pi/2)です。高さが半径いっぱいの 11 になる唯一の場所。 図で赤い点を真上に置くと、波もちょうど山の頂上を描きます。

もう1問: sin(θ+2π)\sin(\theta + 2\pi)sinθ\sin\theta と比べてどうなるでしょうか?

答えを見る

等しくなります。2π2\pi = 1周なので、単位円上の点は元の位置に戻ります。これが周期性です。「角度は1周したら同じ場所」という円の当たり前が、波の繰り返しの正体です。

式で確かめる

動かして掴んだ感覚を、式と言葉で確かめます。間違えても、ヒントと解説で戻れます。

確認 1 / 3

単位円を回して波を描くとき、波が1サイクル完成するのは角度が何度進んだときですか?

確認 2 / 3

sinθ\sin\theta が最大値 11 をとるのは、単位円上のどの位置ですか?

確認 3 / 3

sin(θ+2π)\sin(\theta + 2\pi)sinθ\sin\theta と比べてどうなりますか?

この章の定義・定理・公式をまとめて確認する

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執筆: 榎本颯斗 / 監修: 中野竜之介

中野竜之介: 北海道大学大学院 数学専攻 博士課程・専門: 特殊関数論と代数幾何の交わり

数学レビュー協力: 野田一成・木村敏樹

最終更新: 2026-07-05

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