sinx=0.5 を解け、と言われて公式表を思い出そうとした人へ。
三角方程式は暗記問題ではなく、円と線の交点を数える図形問題です。
単位円と波はもう触ったので、その2枚を使って「解く」を再定義します。
ウォームアップ — 第3章の振り返り
単位円の点をドラッグして、sinθ=−1 になる場所へ移動してください。
sinθ=0.00(目標 −1.00)
触ってみる — 解は「交点」である
sinx=k の解とは、単位円上で高さが k の場所のこと。
水平線 y=k を上下させて、交点(緑)の個数と位置がどう変わるか見てください。
sinx=0.50 の解(0∘〜360∘): x≈30∘,150∘(整数度に丸め)
種明かし — 2つの解はいつも対称
0°≤x<360° の範囲で、sinx=k(−1<k<1)の解はいつも2個。
θ を sinθ=k の主値(arcsink、−90°≤θ≤90°)とすると、
一方の解は 180°−θ(この範囲の θ なら自動的に 90°〜270° に収まります)、
もう一方は θ を 0°≤x<360° に収めた角(たとえば k が負で θ が負の値なら θ+360°)です。
水平線と円の交点は y 軸について対称だからです。
sinx=k⟺x≡θ, 180°−θ(mod360°)
cosx=k なら縦線との交点なので、対称の向きが変わって x=±θ(x 軸対称)。
「どっちが 180°−θ でどっちが −θ か」は覚えなくても、
線を引く向き(水平か垂直か)を思い出せば図が答えてくれます。
一般解 — 円は何周でも回れる
円を1周(360°)回っても同じ場所に戻るので、解は無限にあります:
x=θ+360°n,(180°−θ)+360°n
第3章の看板図(単位円を回すと波が生まれる)を思い出してください。
波が周期的に同じ高さを繰り返すことと、円を何周もできることは同じ現象です。
大学への接続
「方程式の解を図形の交点として数える」視点は、微積パート(第10章〜)でグラフの交点として方程式を捉え直すときや、
線形代数の連立方程式(直線の交点)で主役になります。
操作チャレンジ — 図で解く3問
水平線 y=k を動かして、sinx=k の解(0∘〜360∘)がちょうど1個になる k を見つけてください。
交点(= sinx=k の解)が【ちょうど1個】になる k を探せ
式で確かめる
動かして掴んだ感覚を、式と言葉で確かめます。間違えても、ヒントと解説で戻れます。
確認 1 / 3
0∘≤x<360∘ の範囲で、sinx=k(−1<k<1)の解は何個ありますか?
確認 2 / 3
sinx=k の解の一つを主値 θ(arcsink、−90∘≤θ≤90∘)とすると、0∘≤x<360∘ のもう一つの解は?
確認 3 / 3
0∘≤x<360∘ で sinx=0.5 を解くと、解の一つは 30∘。もう一つは何度ですか?
執筆: 榎本颯斗 / 監修: 中野竜之介
中野竜之介: 北海道大学大学院 数学専攻 博士課程・専門: 特殊関数論と代数幾何の交わり
数学レビュー協力: 野田一成・木村敏樹
最終更新: 2026-07-05
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