矢印の足し算・伸び縮み
「東へ2km、北へ1km」。移動は向きと大きさのセットで決まります。 これを矢印で表したものがベクトルです。新課程ではベクトルは数C(選択)に移り、 高校で触れないまま卒業する人も増えていると言われています。でも心配いりません。 必要な操作は「足す」と「伸ばす」の2つだけです。
触ってみる — 足し算は「継ぎ足し」
赤い点と青い点をドラッグしてください。黄色い矢印が2つの和です。
ベクトル a は (2.0, 1.0)、ベクトル b は (-1.0, 2.0)、ベクトル a+b は (1.0, 3.0) です。
赤 ・青 をドラッグして動かせます
の先端に を継ぎ足した到達点が 。 成分で見れば と、ただの成分ごとの足し算です。 「図の継ぎ足し」と「成分の計算」が同じものだと分かれば、ベクトルの半分は終わりです。
伸ばす・縮める・裏返す
スカラー k は 1.5、ベクトル a は (2.0, 1.0)、スカラー倍 ka は (3.0, 1.5) です。
実数 を掛けると、矢印は同じ直線上で 倍に伸び縮みします。 なら向きが反転。この2操作(和と実数倍)を組み合わせると 「」のような式が図として読めるようになります。
力の分解 — 物理でもこの図
斜面に置いた荷物にかかる重力は、「斜面に沿う成分」と「斜面に垂直な成分」に 分解できます。分解とは、和の図を逆向きに読むことです。 到達点が同じになる2本の矢印を探す操作です。次のレッスンの内積が、 この「成分の取り出し」を計算で行う道具になります。
理解チェック
、 のとき は?
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なので 。 「 を2倍に伸ばしてから継ぎ足す」を成分でやっただけです。
もう1問: a = (1, 2)、b = (3, −1) のとき 2a − b は?
答えを見る
(−1, 5) です。2a = (2,4) から b を引いて (2−3, 4−(−1))。成分ごとに計算すればよく、図では「aを2倍してからbの逆向きを継ぎ足す」ことに対応します。
式で確かめる
動かして掴んだ感覚を、式と言葉で確かめます。間違えても、ヒントと解説で戻れます。
確認 1 / 3
a = (2, 1)、b = (−1, 3) のとき、 はどれですか?
確認 2 / 3
a = (1, 2)、b = (3, −1) のとき、 の 成分はいくつですか?
確認 3 / 3
ベクトルに負の実数 を掛けると、矢印はどうなりますか?
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執筆: 榎本颯斗 / 監修: 中野竜之介
中野竜之介: 北海道大学大学院 数学専攻 博士課程・専門: 特殊関数論と代数幾何の交わり
数学レビュー協力: 野田一成・木村敏樹
最終更新: 2026-07-05