線形代数 / 第3章 · 1つ目のレッスン
無料レッスン行列 = 線形変換
「行列とは数を長方形に並べたもの」。教科書のこの定義で挫折した人のためのレッスンです。行列の正体は空間を変形させる操作です。正確にいえば、基底を決めたうえで線形写像を成分表示したものを指します。ここでは直感を優先して「変形の操作」として手で動かし、「線形写像」という正式な言い方は後の章で回収します。定義を暗記する前に、まず動かして見てみましょう。
自由操作 / 変形を観察する
行き先を変えると、格子も変わる
赤い点と青い点は、基底ベクトル 、 の行き先です。動かすと、緑の格子と黄色い正方形(単位正方形の像)が連動して変形します。
面積 1.00 倍・向きは同じ
第1列 (1.00, 0.00)、第2列 (0.00, 1.00)、行列式 1.00
自由操作の状態と、各チャレンジの回答は別々に保存します。
操作チャレンジ 01 / 05
横方向だけを2倍にする
の行き先だけを右に倍へ伸ばし、 はそのままにしてください。横方向だけが伸びる変換を作ります。
面積 1.00 倍・向きは同じ
第1列 (1.00, 0.00)、第2列 (0.00, 1.00)、行列式 1.00
式で確かめる
動かして掴んだ感覚を、式と言葉で確かめます。間違えても、ヒントと解説で戻れます。
確認 1 / 3
を へ、 を へ移す行列は、平面をどう動かしますか?
確認 2 / 3
を へ、 を へ移す変換の行列式()はいくつ?(単位正方形の面積が何倍になるか)
確認 3 / 3
の変換が平面にすることは?
図と式をつなぐ
ここで押さえること
行列の列と、基底の行き先
2×2 行列
の1列目 は「 がどこに移るか」、2列目 は「 がどこに移るか」 を表しています。あなたがドラッグしていたのは、まさにこの「列」そのものです。
基底の行き先さえ決まれば、他のすべてのベクトルの行き先も自動的に決まります。これが線形性であり、行列とベクトルの積
は「 個の新しい と 個の新しい を足す」という意味だったのです。
試してみよう
「触ってみる」の図で、次の変換を作ってみてください。
- 回転: 赤い点を 、青い点を へ → 90°回転
- せん断: 赤い点は のまま、青い点を へ → 格子が斜めに傾く
- つぶす: 赤と青を同一直線上に置く → 平面全体が1本の直線に潰れる(det A = 0 になることを確認)
理解チェック
行列 は空間をどう変形させるでしょうか?
答えを見る
が に移り、 は のまま。つまり横方向に2倍に引き伸ばす変換です。「触ってみる」の図で赤い点を に置いて確かめてみてください。
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執筆: 中野竜之介 / 監修:
中野竜之介: 北海道大学大学院 数学専攻 博士課程・専門: 特殊関数論と代数幾何の交わり
数学レビュー協力: 木村敏樹・田邊真郷
最終更新: 2026-07-05