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行列 = 線形変換

「行列とは数を長方形に並べたもの」——教科書のこの定義で挫折した人のためのレッスンです。 行列の正体は空間を変形させる操作です。定義を暗記する前に、まず手で動かして見てみましょう。

触ってみる

下の図の 赤い点(基底ベクトル ı^\hat{\imath} の行き先)と 青い点(ȷ^\hat{\jmath} の行き先)をドラッグしてください。 緑の格子(変換後の空間)と黄色い正方形(単位正方形の行き先)が連動して変形します。

A = [ 1.0  0.0 / 0.0  1.0 ]  det A = 1.0

いま何が起きていたのか

2×2 行列

A=(acbd)A = \begin{pmatrix} a & c \\ b & d \end{pmatrix}

1列目 (ab)\begin{pmatrix} a \\ b \end{pmatrix} は「ı^=(10)\hat{\imath} = \begin{pmatrix} 1 \\ 0 \end{pmatrix} がどこに移るか」2列目 (cd)\begin{pmatrix} c \\ d \end{pmatrix} は「ȷ^=(01)\hat{\jmath} = \begin{pmatrix} 0 \\ 1 \end{pmatrix} がどこに移るか」 を表しています。 あなたがドラッグしていたのは、まさにこの「列」そのものです。

基底の行き先さえ決まれば、他のすべてのベクトルの行き先も自動的に決まります。 これが線形性であり、行列とベクトルの積

A(xy)=x(ab)+y(cd)A \begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix} = x \begin{pmatrix} a \\ b \end{pmatrix} + y \begin{pmatrix} c \\ d \end{pmatrix}

は「xx 個の新しい ı^\hat{\imath}yy 個の新しい ȷ^\hat{\jmath} を足す」という意味だったのです。

試してみよう

図をもう一度操作して、次の変換を作ってみてください。

理解チェック

行列 A=(2001)A = \begin{pmatrix} 2 & 0 \\ 0 & 1 \end{pmatrix} は空間をどう変形させるでしょうか?

答えを見る

ı^\hat{\imath}(2,0)(2, 0) に移り、ȷ^\hat{\jmath}(0,1)(0, 1) のまま。つまり横方向に2倍に引き伸ばす変換です。 上の図で赤い点を (2,0)(2, 0) に置いて確かめてみてください。

操作チャレンジ — 図で解く5問

読んで分かったら、次は手で証明しましょう。伸縮・回転・せん断・鏡映・退化—— この章の変換をぜんぶ自分の手で作ります。条件を満たした状態を少しキープすると正解です。

1 / 5

e₁ の行き先だけを右に2倍へ伸ばし、e₂ はそのままにしてください。横方向だけが伸びる変換を作ります。

Ae₁ = (1.00, 0.00) Ae₂ = (0.00, 1.00) det = 1.00