行列 = 線形変換
「行列とは数を長方形に並べたもの」——教科書のこの定義で挫折した人のためのレッスンです。 行列の正体は空間を変形させる操作です。定義を暗記する前に、まず手で動かして見てみましょう。
触ってみる
下の図の 赤い点(基底ベクトル の行き先)と 青い点( の行き先)をドラッグしてください。 緑の格子(変換後の空間)と黄色い正方形(単位正方形の行き先)が連動して変形します。
いま何が起きていたのか
2×2 行列
の1列目 は「 がどこに移るか」、 2列目 は「 がどこに移るか」 を表しています。 あなたがドラッグしていたのは、まさにこの「列」そのものです。
基底の行き先さえ決まれば、他のすべてのベクトルの行き先も自動的に決まります。 これが線形性であり、行列とベクトルの積
は「 個の新しい と 個の新しい を足す」という意味だったのです。
試してみよう
図をもう一度操作して、次の変換を作ってみてください。
- 回転: 赤い点を 、青い点を へ → 90°回転
- せん断: 赤い点は のまま、青い点を へ → 格子が斜めに傾く
- つぶす: 赤と青を同一直線上に置く → 平面全体が1本の直線に潰れる(det A = 0 になることを確認)
理解チェック
行列 は空間をどう変形させるでしょうか?
答えを見る
が に移り、 は のまま。つまり横方向に2倍に引き伸ばす変換です。 上の図で赤い点を に置いて確かめてみてください。
操作チャレンジ — 図で解く5問
読んで分かったら、次は手で証明しましょう。伸縮・回転・せん断・鏡映・退化—— この章の変換をぜんぶ自分の手で作ります。条件を満たした状態を少しキープすると正解です。
問1 / 5
e₁ の行き先だけを右に2倍へ伸ばし、e₂ はそのままにしてください。横方向だけが伸びる変換を作ります。
Ae₁ = (1.00, 0.00) Ae₂ = (0.00, 1.00) det = 1.00