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線形代数の目次

線形代数 / 第3章 · 1つ目のレッスン

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行列 = 線形変換

「行列とは数を長方形に並べたもの」。教科書のこの定義で挫折した人のためのレッスンです。行列の正体は空間を変形させる操作です。正確にいえば、基底を決めたうえで線形写像を成分表示したものを指します。ここでは直感を優先して「変形の操作」として手で動かし、「線形写像」という正式な言い方は後の章で回収します。定義を暗記する前に、まず動かして見てみましょう。

解説を読む ↓

自由操作 / 変形を観察する

行き先を変えると、格子も変わる

赤い点と青い点は、基底ベクトル ı^\hat{\imath}、ȷ^\hat{\jmath} の行き先です。動かすと、緑の格子と黄色い正方形(単位正方形の像)が連動して変形します。

元の格子変換後の格子単位正方形の行き先

A=(1.000.000.001.00)det⁡A=1.00A = \begin{pmatrix} 1.00 & 0.00 \\ 0.00 & 1.00 \end{pmatrix} \quad \det A = 1.00

面積 1.00 倍・向きは同じ

縦横は同じ縮尺

第1列 (1.00, 0.00)、第2列 (0.00, 1.00)、行列式 1.00

行列の列(基底ベクトルの行き先)の数値入力

自由操作の状態と、各チャレンジの回答は別々に保存します。

図と式をつなぐ

ここで押さえること

行列の列と、基底の行き先

2×2 行列

A=(acbd)A = \begin{pmatrix} a & c \\ b & d \end{pmatrix}

の1列目 (ab)\begin{pmatrix} a \\ b \end{pmatrix} は「ı^=(10)\hat{\imath} = \begin{pmatrix} 1 \\ 0 \end{pmatrix} がどこに移るか」、2列目 (cd)\begin{pmatrix} c \\ d \end{pmatrix} は「ȷ^=(01)\hat{\jmath} = \begin{pmatrix} 0 \\ 1 \end{pmatrix} がどこに移るか」 を表しています。あなたがドラッグしていたのは、まさにこの「列」そのものです。

基底の行き先さえ決まれば、他のすべてのベクトルの行き先も自動的に決まります。これが線形性であり、行列とベクトルの積

A(xy)=x(ab)+y(cd)A \begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix} = x \begin{pmatrix} a \\ b \end{pmatrix} + y \begin{pmatrix} c \\ d \end{pmatrix}

は「xx 個の新しい ı^\hat{\imath} と yy 個の新しい ȷ^\hat{\jmath} を足す」という意味だったのです。

試してみよう

「触ってみる」の図で、次の変換を作ってみてください。

  • 回転: 赤い点を (0,1)(0, 1)、青い点を (−1,0)(-1, 0) へ → 90°回転
  • せん断: 赤い点は (1,0)(1, 0) のまま、青い点を (1,1)(1, 1) へ → 格子が斜めに傾く
  • つぶす: 赤と青を同一直線上に置く → 平面全体が1本の直線に潰れる(det A = 0 になることを確認)

理解チェック

行列 A=(2001)A = \begin{pmatrix} 2 & 0 \\ 0 & 1 \end{pmatrix} は空間をどう変形させるでしょうか?

答えを見る

ı^\hat{\imath} が (2,0)(2, 0) に移り、ȷ^\hat{\jmath} は (0,1)(0, 1) のまま。つまり横方向に2倍に引き伸ばす変換です。「触ってみる」の図で赤い点を (2,0)(2, 0) に置いて確かめてみてください。

図に戻って確かめる

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執筆: 中野竜之介 / 監修:

中野竜之介: 北海道大学大学院 数学専攻 博士課程・専門: 特殊関数論と代数幾何の交わり

数学レビュー協力: 木村敏樹・田邊真郷

最終更新: 2026-07-05

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