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ベクトルを使う — 内積と成分計算

前回はベクトルを「動かして」理解しました。今回は同じものを計算で扱えるようにします。 まずは手が覚えているか、1問だけ振り返りから。

ウォームアップ — 第1章の振り返り

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補助線を見ずに、2本の矢印の和で星印 (-1, 3) を作ってください。どちらの矢印も短すぎないようにしてください。

a + b = (1.00, 1.00)

内積の2つの顔

前回の最後に触った「影」の図をもう一度出します。第1回で触ったこの図が、今日の主役です。

a·b = 5.50 θ = 44° 影の長さ = 1.81

内積には2つの定義がありました。図で見た幾何の顔:

ab=abcosθ\vec{a} \cdot \vec{b} = |\vec{a}|\,|\vec{b}| \cos\theta

そして電卓で叩ける成分の顔:

ab=a1b1+a2b2\vec{a} \cdot \vec{b} = a_1 b_1 + a_2 b_2

この2つが常に一致する、というのが内積の魔法です。おかげで 「角度」というアナログな量を、掛けて足すだけの計算で取り出せます。

長さと距離も内積から

自分自身との内積は aa=a12+a22\vec{a} \cdot \vec{a} = a_1^2 + a_2^2。これはピタゴラスの定理そのものなので、

a=aa|\vec{a}| = \sqrt{\vec{a} \cdot \vec{a}}

ノルム(長さ)になります。2点間の距離は差ベクトルの長さ ab|\vec{a} - \vec{b}|。 つまり「長さ・距離・角度」という幾何の道具一式が、内積ひとつから全部出てきます。

よく使う3つの計算

理解チェック

a=(1,2)\vec{a} = (1, 2)b=(3,1)\vec{b} = (3, -1) のなす角のコサインはいくつでしょうか?

答えを見る

内積は 13+2(1)=11 \cdot 3 + 2 \cdot (-1) = 1。長さは a=5|\vec{a}| = \sqrt{5}b=10|\vec{b}| = \sqrt{10}。 よって cosθ=1500.14\cos\theta = \dfrac{1}{\sqrt{50}} \approx 0.14。ほぼ直角に近い、少しだけ同じ向きの2本です。 上の影の図で (1,2)(1,2)(3,1)(3,-1) を再現すると、影がわずかに正の側に出るのが確認できます。

操作チャレンジ — 図で解く3問

計算で分かったことを、最後は手で証明します。

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青い矢印を、赤いベクトル u = (2, 1) と直交する向きに置いてください。長さは1以上で。

x・u = 3.00(目標 0)