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定義・定理・公式まとめ

偏微分方程式コース

レッスンで手を動かして体感したことを、いつでも引ける形にした知識の地図です。 気になる項目があれば、リンク先のレッスンでもう一度図を動かして体感し直せます。

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1PDEの分類 — 定常・拡散・伝播

偏微分方程式とは何か

無料

u(x,t)u(x,t) など複数変数の関数の偏導関数を含む方程式

常微分方程式が1変数だったのに対し、位置と時刻など複数の変数に同時に依存する

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2階線形PDEの標準形と判別式

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auxx+buxy+cuyy=0au_{xx}+bu_{xy}+cu_{yy}=0、判別式 b24acb^2-4ac

2次曲線の分類(楕円・放物線・双曲線)と同じ判別式で、PDEの型が決まる

係数 a,b,ca,b,c が一定(または各点での局所的な値)の場合の分類。変数係数だと領域内で型が変わることもある

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3つの型と代表方程式

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楕円型=ラプラス方程式、放物型=熱方程式、双曲型=波動方程式

楕円=定常、放物=拡散、双曲=伝播——時間発展のふるまいで対比できる

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発展方程式と境界値問題の違い

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熱・波動方程式は初期条件、ラプラス方程式は境界条件だけで内部が決まる

時間微分の階数だけ初期条件が必要(熱=1つ、波動=位置と速度の2つ)

ラプラス方程式には時間変数がなく、初期条件という概念自体が存在しない

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2熱方程式 — 拡散と平滑化

熱方程式

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ut=αuxxu_t = \alpha u_{xx}

まわりより凹んだ点は温まり、まわりより凸な点は冷める——凹凸を均す方程式

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モードの指数減衰

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u=sin(nπx)eα(nπ)2tu=\sin(n\pi x)e^{-\alpha(n\pi)^2t}(固定端、L=1L=1)

波打つ回数(波数)が多いモードほど、指数の中身が n2n^2 で効いて速く消える

この重ね合わせが厳密解になるのは方程式が線形・斉次かつ境界条件も斉次のとき(第5章)

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無限伝播速度(熱方程式の性質)

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理論上、初期分布の変化は瞬時に全域の値へ(たとえわずかでも)影響する

波動方程式の有限速度 cc とは対照的な性質——つまずきやすい注意点

差分法などの離散近似では1ステップごとに隣接点までしか伝わらず、この性質は連続極限で現れる

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拡散係数 α の役割

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α\alpha が大きいほど同じ時刻での平滑化が速い

平滑化するという性質そのものは変えず、速さだけを変えるつまみ

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3波動方程式 — 伝播と反射

波動方程式

プレミアム

utt=c2uxxu_{tt} = c^2 u_{xx}

熱方程式と違い時間について2階微分——初期条件が位置と速度の2つ必要になる

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ダランベール解

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u(x,t)=f(xct)+g(x+ct)u(x,t) = f(x-ct) + g(x+ct)

右へ進む波と左へ進む波の和。初期に静止した山は f=g=h/2f=g=h/2 で半分ずつに分裂する

この形は1次元・無限領域(または鏡像法で拡張した有界領域)での一般解。多次元にはそのまま使えない

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有限伝播速度

プレミアム

時刻 tt に点 xx へ届く影響は速さ cc 以内に限られる

熱方程式の無限伝播速度と対照的——情報は光のように速さの上限を持つ

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境界条件による反射の符号

プレミアム

固定端(ディリクレ、奇周期拡張)=符号反転、自由端(ノイマン、偶周期拡張)=符号保存

鏡像法で境界の外側に仮想の波を置くと、反射のしかたが境界条件の型で決まる

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4ラプラス方程式 — 調和関数

ラプラス方程式と調和関数

プレミアム

2u=uxx+uyy=0\nabla^2u = u_{xx}+u_{yy} = 0

熱方程式で時間が十分経ち、変化が止まった定常状態が満たす方程式

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平均値性

プレミアム

調和関数の値は、まわりの円周(2D)・球面(3D)上の値の平均に等しい

1次元では中点が両端の平均になるのと同じことが、高次元の円・球で成り立つ

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最大値原理・一意性

プレミアム

内部の値は境界の最大値を超えず最小値を下回らない。境界値問題の解は一意

境界だけで内部のふるまいがすべて縛られる——極端な値は境界にしか現れない

いずれも有界な領域+適切な境界条件が与えられていることが前提。無限領域では成り立つとは限らない

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離散ラプラシアン(差分法との橋渡し)

プレミアム

ui,j(ui1,j+ui+1,j+ui,j1+ui,j+1)/4u_{i,j} \approx (u_{i-1,j}+u_{i+1,j}+u_{i,j-1}+u_{i,j+1})/4

平均値性を格子上でそのまま計算手順にしたもの(Gauss-Seidel緩和で反復収束させる)

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5変数分離とフーリエ

変数分離法

プレミアム

u(x,t)=X(x)T(t)u(x,t)=X(x)T(t) を仮定し、T/T=αX/X=T'/T=\alpha X''/X= 定数 に分離する

変数ごとの式に分かれるのは、両辺が等しい定数でなければならないから

使えるのは方程式が線形・斉次かつ境界条件も斉次のときだけ。非斉次では定常解を引いてから適用する

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固有値問題と固有値

プレミアム

X+λX=0X''+\lambda X=0、固定端境界で λn=(nπ/L)2\lambda_n=(n\pi/L)^2Xn=sin(nπx/L)X_n=\sin(n\pi x/L)

境界条件が離散的な固有値の列を選び出す——弦の固有振動数と同じ発想

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重ね合わせによる一般解

プレミアム

u=nbnsin(nπx/L)eα(nπ/L)2tu=\sum_n b_n\sin(n\pi x/L)e^{-\alpha(n\pi/L)^2t}

方程式が線形だから、モードごとの解をそのまま足し合わせれば一般解になる

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フーリエ正弦係数

プレミアム

bn=2L0Lu0(x)sin(nπx/L)dxb_n = \dfrac{2}{L}\displaystyle\int_0^L u_0(x)\sin(n\pi x/L)\,dx

sinどうしの直交性により、初期分布に含まれる各モードの量をちょうど取り出せる

不連続な初期分布では、係数を使った部分和の収束が角の付近で遅くなる(ギブス現象)

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6数値解 — 差分法

中心差分近似

プレミアム

uxx(ui+12ui+ui1)/Δx2u_{xx} \approx (u_{i+1}-2u_i+u_{i-1})/\Delta x^2

2階微分を、両隣と自分の値だけを使った引き算で近似する

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FTCS陽解法の更新式

プレミアム

uin+1=uin+r(ui+1n2uin+ui1n)u_i^{n+1}=u_i^n+r(u_{i+1}^n-2u_i^n+u_{i-1}^n)r=αΔt/Δx2r=\alpha\Delta t/\Delta x^2

各点の次の値は、その点と両隣の現在の値だけで決まる局所的な更新

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熱方程式の安定条件(CFL条件)

プレミアム

r=αΔt/Δx21/2r=\alpha\Delta t/\Delta x^2 \le 1/2

この境目を超えると、丸め誤差ではなく方法そのものの性質として振動的に発散する

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波動方程式の安定条件(クーラン数)

プレミアム

ν=cΔt/Δx1\nu=c\Delta t/\Delta x \le 1

熱と同じ「刻みすぎ注意」でも、条件式の形は違う(Δx\Delta x が1乗)

熱方程式は Δx\Delta x の2乗、波動方程式は Δx\Delta x の1乗——方程式の型(放物型・双曲型)の違いが数値解法にも現れる

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