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定義・定理・公式まとめ

複素解析コース

レッスンで手を動かして体感したことを、いつでも引ける形にした知識の地図です。 気になる項目があれば、リンク先のレッスンでもう一度図を動かして体感し直せます。

✏️ この範囲を計算で確かめる →

1複素数平面と複素関数 — 2枚の平面で見る

極形式とオイラーの公式

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z=reiθ=r(cosθ+isinθ)z=re^{i\theta}=r(\cos\theta+i\sin\theta)

絶対値 rr(原点からの距離)と偏角 θ\theta(実軸からの角度)で複素数を表す

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積は「絶対値の積・偏角の和」

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z1z2=z1z2,arg(z1z2)=argz1+argz2(mod2π)|z_1z_2|=|z_1||z_2|,\quad \arg(z_1z_2)=\arg z_1+\arg z_2\pmod{2\pi}

ii を掛けると90°回転するのも、絶対値1・偏角90°の数を掛けているだけ

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ド・モアブルの定理

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(cosθ+isinθ)n=cosnθ+isinnθ(\cos\theta+i\sin\theta)^n=\cos n\theta+i\sin n\theta

nn 乗すると偏角がちょうど nn 倍になる

nn は整数(負や0でも成立)

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ドメインカラーリングの読み方

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色相 =argf(z)=\arg f(z)、明度 =f(z)=|f(z)| の単調な関数(零点で暗く、極で明るく)

関数を「平面→平面」のまま塗り分けて、グラフでは見えない性質を色で見る

零点・極のまわりで色相が周回する回数が、その点の位数(=偏角の巻き数)

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2正則性とコーシー・リーマン方程式

複素微分の定義

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f(z0)=limΔz0f(z0+Δz)f(z0)Δzf'(z_0)=\lim_{\Delta z\to0}\dfrac{f(z_0+\Delta z)-f(z_0)}{\Delta z}

実数の微分と同じ形の極限だが、平面上のあらゆる方向から近づいても同じ値が要る

方向によらず一定という、実2変数関数の偏微分可能性より強い条件

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コーシー・リーマン方程式

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ux=vy,uy=vxu_x=v_y,\quad u_y=-v_x(f=u+ivf=u+iv)

ヤコビ行列が「回転+拡大」を表す行列の形になるための条件

正則性の必要条件。十分にするには偏導関数の連続性も要る。反例 f(z)=zˉf(z)=\bar z: u=x,v=yu=x,v=-y は滑らかでも ux=11=vyu_x=1\neq-1=v_y でCR不成立=複素微分不可能

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局所線形近似=回転+拡大

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f(z)f(z0)+f(z0)(zz0)f(z)\approx f(z_0)+f'(z_0)(z-z_0)

拡大鏡でズームすると、正則関数は「回転+拡大」にしか見えない

f(z0)0f'(z_0)\neq0 なら「argf(z0)\arg f'(z_0) 回転して f(z0)|f'(z_0)| 倍」の相似変換

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臨界点での等角性の破れ

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f(z)=z2f(z)=z^2f(0)=0f'(0)=0

z0=0z_0=0 に近づけると、局所線形近似の円が像の曲線からずれていく

z=0z=0 では角度が2倍になる。一般に最初に消えない微分の階数だけ角度が倍化する

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3等角写像 — 角を保つ変形

等角写像の定義

プレミアム

交わる2曲線のなす角(大きさ・向き)を保つ写像

地図の投影法など、角度を変えずに形を変形したいときの数学的な条件

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等角性の十分条件

プレミアム

正則かつ f(z0)0f'(z_0)\neq0 なら z0z_0 で等角

局所線形近似(回転+拡大)がどの方向のベクトルも同じ角度だけ回すため

f(z0)=0f'(z_0)=0(臨界点)では一般に角度は保たれない

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ジューコフスキー変換

プレミアム

w=12(z+1z)w=\dfrac12\left(z+\dfrac1z\right)

円をスライダーで動かすと厚み・尖りが変わる翼型に化ける

臨界点は dw/dz=12(11/z2)=0dw/dz=\frac12(1-1/z^2)=0 より z=±1z=\pm1。円が z=1z=1 を通るとき後縁にカスプができる

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メビウス変換

プレミアム

w=az+bcz+d (adbc0)w=\dfrac{az+b}{cz+d}\ (ad-bc\neq0)

円・直線を円・直線に写す(直線は半径無限大の円とみなす)

w=(adbc)/(cz+d)2w'=(ad-bc)/(cz+d)^2adbcad\neq bc である限り常に0でないため、定義域全体で常に等角

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4複素積分とコーシーの定理

複素積分(経路積分)の定義

プレミアム

Cf(z)dz=abf(z(t))z(t)dt\oint_C f(z)\,dz=\int_a^b f(z(t))z'(t)\,dt

実数の積分区間の代わりに、複素平面上の経路を1本決めて積分する

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コーシーの定理

プレミアム

ff が単連結領域で正則なら Cfdz=0\oint_C f\,dz=0

極をドラッグして経路の外に出すと、実測値がぴったり0になる

単連結+正則の両方が前提。極を経路が囲むと成り立たない

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$z^n$ の積分公式

プレミアム

z=1zndz=2πi (n=1),0 (それ以外の整数n)\oint_{|z|=1}z^n\,dz=2\pi i\ (n=-1),\quad 0\ (それ以外の整数n)

n=1n=-1 だけ原始関数が多価(logz\log z)になるため特別扱いになる

留数定理の最も基本的な部品

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コーシーの積分公式

プレミアム

f(a)=12πiCf(z)zadzf(a)=\dfrac{1}{2\pi i}\oint_C\dfrac{f(z)}{z-a}\,dz

境界上の値だけから内部の値がすべて決まる、正則関数の「硬さ」を表す式

ffCC の内部・境界で正則、aaCC の内部の点が前提

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5留数定理

留数の定義

プレミアム

Res(f,p)=a1\mathrm{Res}(f,p)=a_{-1}(ローラン展開の 1/(zp)1/(z-p) の係数)

閉じた経路の積分に効くのはこの係数だけ(他の項は積分すると消える)

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単純極の留数公式

プレミアム

Res(f,p)=limzp(zp)f(z)\mathrm{Res}(f,p)=\lim_{z\to p}(z-p)f(z)

(zp)(z-p) を掛けて極を打ち消してから z=pz=p を代入する

pp が位数1の極(単純極)のときのみ使える

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高階極の留数公式

プレミアム

Res(f,p)=1(k1)!limzpdk1dzk1[(zp)kf(z)]\mathrm{Res}(f,p)=\dfrac{1}{(k-1)!}\lim_{z\to p}\dfrac{d^{k-1}}{dz^{k-1}}\big[(z-p)^kf(z)\big]

分子を (zp)(z-p) のべき級数とみて、ちょうど1つ低い次数の係数を取り出す

pp が位数 kk の極のとき

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留数定理

プレミアム

Cfdz=2πijRes(f,pj)\oint_C f\,dz=2\pi i\sum_j\mathrm{Res}(f,p_j)

極が経路の内側に入るたびに、理論値が留数の分だけ段階的に増える

CC は正則な単純閉曲線(正の向き)、pjp_jCC 内部の孤立特異点。コーシーの定理は特異点なし(和=0)の特別な場合

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6実積分への応用・解析接続

半円経路で実積分を回収

プレミアム

f(x)dx=2πiImp>0Res(f,p)\int_{-\infty}^{\infty}f(x)\,dx=2\pi i\sum_{\mathrm{Im}\,p>0}\mathrm{Res}(f,p)

実軸の積分区間+上半円弧を閉じ、弧の寄与が消えるのを待つ

上半円弧の寄与が0に収束すること(分母の次数が分子より2以上大きい 等)が前提

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具体例: $1/(1+x^2)$ の積分

プレミアム

dx1+x2=π\int_{-\infty}^{\infty}\dfrac{dx}{1+x^2}=\pi

上半平面の極 z=iz=i の留数 12i\frac1{2i} から 2πi12i=π2\pi i\cdot\frac1{2i}=\pi

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解析接続の一意性

プレミアム

共通の集積点を持つ集合上で一致する2つの正則関数は、連結な定義域全体で一致する

「一致の定理」により、正則関数の延長方法は(存在すれば)ただ1通り

この一致の定理(identity theorem)が解析接続の一意性の根拠

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多価関数の分岐

プレミアム

logz=lnz+iargz\log z=\ln|z|+i\arg z

原点のまわりを1周するたびに虚部が 2πi2\pi i だけずれて戻ってくる

argz\arg z2π2\pi の整数倍だけ不定なので多価。分岐を切るか、リーマン面で解消する

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